1-18 光電効果

(1.6)式を使う。ν は照射する電磁波の振動数、hプランク定数Ek は電子の運動エネルギー

E_{\rm k} = h\nu - \phi ... (1.6)

仕事関数 \phi を求めよう。仕事関数はエネルギーの次元を持っているので、単位は SI単位系の J (ジュール)でそろえよう。

eV (エレクトロンボルト, 電子ボルト)は エネルギーの単位で、
1 eV = 1.602 × 10−19 J
である。途中、 eV にこの式を代入して単位をそろえる。

与えられているのは 波長 λ なので、 ν = cλ を使って振動数に変換する。

\displaystyle \phi = h\nu - E_{\rm k} = hc/\lambda - E_{\rm k}\\\\ = \rm \frac{(6.626 \times 10^{-34}~J~s)(2.998 \times 10^8~m~s^{-1})}{230~nm} - 0.805~eV \\\\ = \rm \frac{(6.626 \times 10^{-34}~J~s)(2.998 \times 10^8~m~s^{-1})}{230 \times 10^{-9}~m} \, - \, 0.805(1.602 \times 10^{-19}~J) \\\\ = (8.637 \times 10^{-19}~J) - (1.290 \times 10^{-19}~J)\\\\ = 7.35 \times 10^{-19}~J 

照射した電磁波のエネルギーが 8.64 × 10−19 J,
飛んで出てきた電子のエネルギーが 1.29 × 10−19 J なので、
電子が原子核に捉えられていたエネルギー(仕事関数)はその差分の 7.35 × 10−19 J となる。 

しきい振動数 ν0は、電磁波のエネルギーが、ちょうど仕事関数と一致した時の振動数である。

h\nu_0 = \phi ... (1.7)

(1.7)式より、

\displaystyle \nu_0 = \frac{\phi}{h}\\\\ = \rm \frac{(7.35 \times 10^{-19}~J)}{(6.626 \times 10^{-34}~J~s)}\\\\ = 1.11 \times 10^{15}~s^{-1} = 1.11 \times 10^{15}~Hz