そうですね。揃えておきましょう。
… (6.14)
変形して
として
一般解は
... (1)
境界条件 を満たすのは、m が 整数のとき。
m が 1 で c1 = 0 のときと、m が −1 で c2 = 0 のときは同じになるので、(1)式には項が 2 つあるが、1 つにまとめられる。
一般解は m を整数とした
...(2)
の重ね合わせ
...(3)
になる。(2)式を基準振動とみて、その重ね合わせ(3)が一般解となっている。各基準振動について、𝜙 = 0 ~ 2π の範囲で の積分 1)eim𝜙 は複素数なので、2 乗にするときは複素共役数をかける。 が 1 になるように Am を定めると
...(6.20)
が得られる。
実際の解は、(3)式のように「基準振動の重ね合わせ」なのです。これは量子数 m に限らず、n や l でも同じです。ただ、対応する測定をすれば … 例えば n = 1 というように状態が定まります。パウリの排他原理もあり、水素原子の中に 量子数で表される複数の電子軌道があって電子はそのうちの「ひとつの軌道に存在する」と考えてしまいますが、正確には、(測定するまでは)複数の軌道を重ね合わせた状態にある、と考えるべきでしょう。
脚注
↑1 | eim𝜙 は複素数なので、2 乗にするときは複素共役数をかける。 |