解答
粒子の位置 x が 0 ≤ x ≤ a に制限された 1 次元の箱の中の粒子 1)2 次元や 3 次元の箱を考えてもよいが、x の積分だけを考えるので、結局 x の関数について考えることになる。の波動関数は n を量子数として
…(3.27)である。位置の平均を求めるためには、位置の演算子 を用いて
という計算を行えばよい。ψ は 実数なので、ψ* = ψ、よって
この x sin2(αx) の積分は簡単そうだが解くのが難しい 2)2倍角の公式を使って sin2(x)を cos 2x の形にしたのち部分積分を行う。 。
ここでは公式を使おう。(教科書 p.75)
積分のイメージを捉えるために関数を図示しておくと 下図のようになる。
赤が x sin2(αx)、青がその積分である。
α = (nπ / a) として x = a として公式を適用すると、
となる 3)教科書の公式は不定積分なので注意。
ので、全ての n について
となる。箱の中の粒子のすべての状態は ψn の重ね合わせで書かれるので、
箱の中の粒子のすべての状態で、位置の平均値は a/2 である。
粒子は x = 0 と x = a にある壁以外は何も感じないので、対称性から は a/2 となるのが妥当であると考えられる。(教科書 p.94)
脚注