3-28 円運動のシュレーディンガー方程式(*)

半径 a の円の円周上を運動するように制限された、質量 m の粒子に対するシュレーディンガー方程式は、

\displaystyle -\frac{\hbar^2}{2I}\frac{{\rm d^2}\psi}{{\rm d}\theta^2} = E \psi(\theta) \ \ \ (0 \le \theta \le 2\pi) …(1)

である。

\displaystyle \psi(\theta) = A {\rm e}^{in\theta} …(2)

を直接代入して上の方程式の解であることを示せ。n=\pm(2IE)^{1/2}/\hbar である。 

これにあてはまる境界条件が ψ(θ) = ψ(θ + 2π) であることを吟味し、この条件を用いて 

\displaystyle E = \frac{n^2 \hbar^2}{2I} \ \ \ (n = 0, \pm 1, \pm 2, ...)

であることを示せ。また、規格化定数 A が (2π)−1/2 であることを示せ。これらの結果をベンゼンの自由電子モデルにどのように使えるかを考察せよ。

I慣性モーメント I = mr2