19-36 燃焼熱

表19.2の \Delta_{\rm f}H^\circ のデータを用いて、次の化学反応式で記述される燃焼反応の \Delta_{\rm c}H を計算せよ。

(a) \rm CH_3OH(l) +\frac{3}{2} \, O_2(g) \to CO_2(g)+2 \, H_2O(l)

(b) \rm N_2H_4(l) + O_2(g) \to N_2(g) + 2 \, H_2O(l)

また、燃料 CH3OH(l) と N2H4(l) のグラム当たりの燃焼熱を比較せよ。

  • \Delta_{\rm f}H^\circ標準生成エンタルピー\Delta_{\rm r}H^\circ は標準反応エンタルピー、\Delta_{\rm c}H^\circは標準燃焼エンタルピー。
  • 物質名(化学式)の後ろの(s)は固体状態を、(l)は液体状態を、(g)は気体状態を示す。
    (\Delta_{\rm f}H^\circ は物質の状態(相)が異なると、違う値になる。)
  • 単体(上の例だと酸素 O2 など)はふつう標準生成エンタルピーの表には載っていない。
    標準生成エンタルピーは「分子を構成する元素の単体から、その分子 1 mol を生成させる場合の標準反応エンタルピー」と定義されているので、単体(表に示されている温度で通常の物理的状態にあるもの)の標準生成エンタルピーは 0 となる。
表19.2 種々の物質の 25 °C、1 bar のときの標準モル生成エンタルピー\Delta_{\rm f}H^\circ(抜粋)
物質 化学式 \Delta_{\rm f}H^\circ / kJ mol−1
エタノール CH3OH(l) −239.1
CH3OH(g) −201.5
ヒドラジン N2H4(l) +50.6
N2H4(g) +95.4
二酸化炭素 CO2(g) −393.5
H2O(l) −285.8
H2O(g) −241.8