19-36 燃焼熱

fugou解答

係数に注意して、生成物の \Delta_{\rm f}H^\circ (標準モル生成エンタルピー) の和から、反応物の \Delta_{\rm f}H^\circ の和を引けばよい。標準状態で最も安定な単体(この例だと O2(g) など)の生成エンタルピーは 0 であることに注意。
差 Δ は 新しいもの(この場合生成物)から 古いもの(この場合反応物) を引く。

(a)

\rm CH_3OH(l) +\frac{3}{2} \, O_2(g) \to CO_2(g)+2 \, H_2O(l)

\Delta_{\rm r} H^\circ = \rm \{(-393.5)+2\cdot(-285.8)\}~kJ - \{-239.1+1.5\cdot0\}~kJ = -726.0~kJ

\Delta_{\rm c} H^\circ = \rm -726.0~kJ

(b)

\rm N_2H_4(l) + O_2(g) \to N_2(g) + 2 \, H_2O(l)

\Delta_{\rm r} H^\circ = \rm \{2\cdot(-285.8)\}~kJ - \{50.6 \} ~kJ  = -622.2~kJ

\Delta_{\rm c} H^\circ = \rm -622.2~kJ

どちらの場合も \Delta_{\rm r}H^\circ は負の値になっている。これは系から周囲へ熱が流れている(系がエネルギーを失っている)ことを示している。従って、(a), (b)とも反応は発熱的。

目的分子 CH3OH(l) と C2H4(l) の反応式中の係数が 1 なので、反応エンタルピーがそのまま モル燃焼エンタルピー ( 1 mol あたりの燃焼エンタルピー) となる。

燃焼熱は周囲から見た熱の出入りなので、エンタルピーの符号をひっくり返せばよい。

グラム当たりの燃焼熱は、モル質量 (メタノール; 32.04 g mol−1, ヒドラジン; 32.05 g mol−1) で割ればよい。

メタノール

\displaystyle \rm \frac{726.0~kJ~mol^{-1}}{32.04~g~mol^{-1}}=22.7~kJ~g^{-1}

ヒドラジン

\displaystyle \rm \frac{622.2~kJ~mol^{-1}}{32.05~g~mol^{-1}}=19.4~kJ~g^{-1}

以上のように、1 g あたりの燃焼熱は メタノールのほうが大きい。(参考 物質ごとの燃焼熱の違い)