A は体積一定として定義したのに、その微分表示に dA = −SdTPdV と dV が入っているのって変じゃありませんか

A は体積一定として定義したのに、その微分表示に dA = −S dT − P dV と dV が入っているのって変じゃありませんか

 

授業で説明したヘルムホルツエネルギー A の導出は、「変化が自発的に進む」条件を満たすようにして進めましたが、最終的な A の定義は

A = U − T S

で、定義自体には特に「体積一定」というのは入っていません。(系の内部エネルギー U から、その時の系の温度 T とエントロピー S の積を単純に引いたもの)

従いまして、A はどんな状態でも定義でき、ΔA もどんな変化でも (定容変化以外の、定圧変化でも昇温変化でも) 計算可能です。微分表記も上記のものであっています。

ただ、A が役に立つ ( ΔA ≤ 0 のとき自発変化、というのが成り立つ )のは、その変化が定容過程(体積一定)の時だけです。