相転移の際のエントロピー変化を ΔS = ΔH / T として求めていましたが、それって定圧の時にしか成り立たないのではないですか?

相転移の際のエントロピー変化を ΔS = ΔH / T として求めていましたが、それって定圧の時にしか成り立たないのではないですか? 蒸発の際は体積が増えるので、いくぶん圧力が上がる気がします。

 

前半はその通り。エントロピー変化は ΔS = q / から求めますが、q =  Δが成り立つのは定圧変化の時だけです。温度を変えたときの相変化というのは通常、圧力一定で行いますので、授業ではきちんと言うのを忘れました。

容積一定での相転移は、気化の際にものすごく圧力が上がってしまうので、通常行われません。「一定圧力条件」では、「圧力が一定になるように」実験を行います。すごいゆるいピストンを使っているようなもので、気化の際に体積が数百倍に増えますが、圧力が変わらないようにピストンの体積が増えます。圧力は一定で、「いくぶん」圧力が上がることは考えません。

実際の実験室での、大気開放での実験は上記の「圧力一定」の実験に近いものと考えられます。