分配関数 Q は指数関数 で、平均エネルギーを求めるときは 対数を取って β で微分 なのだから、 になると思うのだけど、計算が合わない
指数関数の対数を取るので、 と単純化できそうなのですが、
が入っているのでそうはいきません。
...(17.14)
例えば、エネルギー準位として E1 と E2 の2つだけがあるとすると、上記のサメーション(総和)は
...(1)
と、「指数関数の和」になります。これの対数を取っても、指数は外れないのです。
シグマ 記号に惑わされてしまいますが、その本質は「和」なので、演算を間違えないように注意しましょう。
正しくは
Q の対数の β の微分は 教科書 p. 736 にあるように、対数関数の微分 (ln x)′ = 1/x と合成関数の微分を利用して
としたのちに Q を 代入 1)比較したい エネルギーの平均値の式(教科書 (17.18)式) に 1/Q が含まれているので、式の頭の 1/Q の Q には代入せず、そのまま残します。 ( (17.14)式 )
...(2)
後半部分を β で微分します。
...(3)
(2)式と(3)式の間は、サメーションを(1)式のようにいったんばらして各項を β で微分、そののちまたサメーションにまとめていると考えるべきでしょう。
指数関数、対数関数の演算の復習
これを機に、指数関数、対数関数の演算規則を復習しておくとよいと思います。
といっても、
指数関数の中の和は指数関数同士の積
対数関数の中の積は対数関数同士の和
くらいの話ですが。
これらの関係は丸暗記でもよいですが、例を挙げて具体的に考えておくと間違えないと思います。
例えば 102 × 103 は
log216 は 4 (2を4乗すると16)なので
脚注
↑1 | 比較したい エネルギーの平均値の式(教科書 (17.18)式) に 1/Q が含まれているので、式の頭の 1/Q の Q には代入せず、そのまま残します。 |