試験について 2020 (物化II)

2020年度 試験

  • 試験範囲 授業で扱ったところ。マッカーリ・サイモン Chap. 27, 16, 23(1節のみ), 17, 18, 19 (授業で扱わなかったところを除く。)
  • 2021年2月1日(月) 10:40~12:10  3番講義室 (入りきれない場合、2番講義室を併用)
    対面・筆記試験
    教科書、ノート、通信機器の使用禁止
    関数電卓貸与
    試験の一部は豆テスト、演習問題の類題を出します。
    (演習問題はこのページの右側のメニューから選択)

     

  • 合格点 60点
  • 豆テストの成績により加点(最大15点程度)。ただし出席率が70%以下の人は加点無し
  • 試験前の質問は随時
  • 試験の終了後、単位認定者(合格者)、追試験対象者を掲示します。(掲示してほしくない人は、事前に申し出てください。)
  • 再履修者は、昨年度の得点の15%程度を加算します。
コロナ対応のため、発熱等で受験できない場合、連絡があった場合に限り下記追試験の受験を認めます。ただし、追試験で合格できない場合のさらなる対応(追々試験など)はありません。(コロナ関連での欠席の場合、試験を2回受けることはできない)

※風邪の症状が治まってから2日間は出席停止ということになりました。
土曜日(1/30)の時点で発熱等がある場合には試験を受けることができません。
その場合にはメール( tiiyama@shinshu-u.ac.jp )で連絡してください。(1/25追記)

解説、配点など

平均点 59点/110点

  1. [10点] (得点率 90%) 解説略
  2. [28点] (1),(2) 各6点 (3),(4) 各8 点 (63%)
    まず、何に関係する用語なのかを書いてくれるとよかったと思います。想定した数式を書いておきます。

    (1) ボルツマン分布: 異なるエネルギー状態を取る分子数の比
    \displaystyle \frac{N}{N_0}= \exp\left(-\frac{\Delta E}{k_{\rm B}T}\right)
    (2) レナードジョーンズポテンシャル: 中性分子間に働くポテンシャル
    \displaystyle U(r) = 4\varepsilon\left\{ \left(\frac{\sigma}{r}\right)^{12} - \left(\frac{\sigma}{r}\right)^{6} \right \}
    (3) 平均自由行程: 分子が衝突から衝突の間に進む平均距離
    \displaystyle l = \frac{\langle u \rangle }{z_{\rm A}} = \frac{RT}{\sqrt{2}N_{\rm A}\pi d^2 P}など
    「円筒形の空間を進んだ時の衝突間の距離」ではありません。

    (4) 理想気体の分配関数:
    \displaystyle Q = \sum^N_j \exp(-\frac{E_j}{k_{\rm B}T})
    できれば\displaystyle Q=\frac{q^N}{N!}, q=\left(\frac{2\pi m}{h^2\beta}\right)^{3/2}Vなど
    系のエネルギー状態を表す関数で、E=-\frac{\partial \ln Q}{\partial \beta}等の演算で、種々の物性値を導くことができる。
  3. [16点]各グラフ 4点 (36%)
    難しい問題でした。
    (1)(2)は縦軸をP, 横軸をV とすると、理想気体なら反比例の関係となるので
    基本的に右下がりのグラフ、途中(1)は2回、(2)は1回、相転移のためにV のジャンプ(水平な個所)が入ります。液体、固体のときは体積変化が少ないのでほぼ垂直線になります。
    (3)(4)は縦軸をV, 横軸をT とすると、理想気体なら比例の関係となるので
    基本的に右上がりのグラフ(圧力が概ね倍違うので、(4)の方が傾きが倍)、途中(4)は2回、(3)は1回、相転移のためにV のジャンプ(垂直な個所)が入ります。液体、固体のときは体積変化が小さいので、ほぼ水平線(わずかに右上がり)となります。(4)は授業で扱ったグラフと同じです。
  4. [20点] (1)6点, (2)8点, (3)6点 (69%)
    (1) 略 グラフの形(教科書p.1150)が大きく歪んでいる場合は1点減点。
    (2) 略 公式は x4 のものを使う
    (3) m を分子 1 個の質量に直す、g→kg
  5. [16点] (1)(2)各8点 (56%)
    (1) 略
    (2) 
    Z < 1 の部分は分子間力(引力)のために理想気体よりも体積が小さい。温度が低いときに生じる。
    Z > 1 の部分は分子間力(斥力)のために理想気体よりも体積が大きい。圧力が高いときに生じる。
    ・圧力が極めて低い場合は理想気体としてふるまう(Z = 1)
  6. (1)8点, (2)7点, 温室効果(ボーナス5点) (19%)
    難しい問題になってしまいました。
    (1) アルミニウムの熱容量としては デュロン-プティ則 (\bar{C}_V = 3R) を使うことを想定していました。問題の条件ではアルミニウムは融けないので、アルミニウムの融解熱は関係ありません。融ける氷の質量を m として、アルミニウムの温度変化(80℃→0℃)のエネルギーと、氷の融けるエネルギーを等式として

    \displaystyle 3R \cdot ({\rm 2~mol})({\rm 80~K})= \frac{\rm 6000~J~mol^{-1}}{\rm 18~g~mol^{-1}} m
    を解けば算出できます。計算により、正しい単位(質量なので g)で答えが得られるかどうかが式を立てる助けになったはずです。
    (2) 3原子分子なので 運動の自由度
    並進 3, 回転 2, 振動 4
    並進運動による熱容量への寄与は 1.5R , 回転運動による熱容量への寄与は 1.0R。
    問題文に与えられているモル熱容量28.8 J K−1 mol−1R を使って表すと3.46 R なので、差し引きから 振動運動による熱容量への寄与は 0.96R
    を数値化して考えられるかどうかがカギでした。(1/18の豆テストで理解してほしかった。)
    なお、二酸化炭素の振動準位は赤外線の領域にあり、「温室効果」は、地球から放出された赤外線が、大気中の二酸化炭素分子の振動を励起し、再び赤外線を地上に向けて放出するために生じます。温度で励起される振動モードと、赤外線で励起される振動モードは異なるのですが、温室効果で問題になる「分子振動」と、ここで論じている「振動運動」は同じものです。
    参照 http://science.shinshu-u.ac.jp……ge_id=8005

    2/3 飯山

2020年度 追試験

  • 2020年2月12日(金) 10:40~ 15:10~16:40 を予定 (時間変更しました。)
    8番講義室
    [日程変更を希望する場合は12月中に申し出てください。他の候補日は同日午後、2/9です。(個別対応するわけではなく、日程自体を変更します。)]
  • 対面・筆記試験

出席状況が良好で、本試験で45点以上の人を対象に追試験を行う予定です。
(急病などの場合を除き、) 本試験を受けていない人は追試験の対象になりません

  • 単位認定者も受験できます。(高得点の場合は成績評価を上げます。 本試験と追試験の点数の高いほうを採用します。ただし、難易度が異なる場合は追試験の得点に適当な倍率をかけて調整します。)
  • 試験範囲 本試験に同じ
  • 教科書、ノート、通信機器の使用禁止
  • 関数電卓貸与
  • 試験前の質問は随時
発熱等がある場合、追試験を受験することはできません。その場合のさらなる対応(追々試験など)はありません。(コロナ関連での欠席の場合、試験を2回受けることはできない)
また、状況により追試験は行わない場合があります。