シュレーディンガー方程式の表記法のひとつ
において、ハミルトン演算子 は 1 次元の場合
と書かれます。
2 次元の場合は
3 次元の場合は
となります。(ポテンシャルエネルギーも 2 次元、3 次元化する)
なお、波動関数自体も y, z を変数に取るので、
2 次元のシュレーディンガー方程式は
3 次元のシュレーディンガー方程式は
となりますね。
以下余談。
なお、3 次元の ハミルトニアン演算子に登場する
の部分(x, y, z の各方向について2回微分したものをあとから足す)は、ラプラス演算子とよばれます。
このラプラス演算子、直交座標系 (x, y, z)では上記のように比較的単純なのですが、
水素原子で出てくる極座標系 () だと、
とかなり複雑な演算子になります。
水素原子における電子のポテンシャルエネルギーは
なので(極座標系を使うと上記のように簡単に書ける)
水素原子中の電子のシュレーディンガー方程式は、上記の を使い
と書けます。この方程式はきちんと「解ける」ことが分かっており、解として水素原子中の電子の波動関数 が得られます。波動関数 には 3 つの量子数 (n, l, m)が含まれており、その関数形から、電子雲の形 (s 軌道, p 軌道など) や 周期表に関係する電子構造のからくりがわかります。
授業では「水素原子のシュレーディンガー方程式を解く」ことまではしませんが、得られる結果 (波動関数 ) からどんなことが分かるかについては扱います。