ファンデルワールス式の a にはなぜ (1 / V 2) が付くのか (p.676)

ファンデルワールス式の a にはなぜ ( 1 / \bar{V}^2 ) が付くのか 1)バー付きの V1 mol あたりの体積(モル体積) を示している(参照)。 (p.676)

 \displaystyle (P+\frac{a}{\bar{V}^2})(\bar{V}-b) = RT 

まず、実験でP, V, T の関係について調べると、
P に対する補正項は上記のように {a}/{\bar{V}^2}、 すなわち \bar{V}^2 で割った値が、気体ごとに一定の値に(近く)なると理解してください。(実験事実)

この補正項 a は分子間の相互作用(引力)のために生じます。

圧力 P は分子の壁との衝突のために生じますが、分子間力のために

  1. モル体積の逆数(=数密度 mol/m3)に比例して、分子間力のために 1 回の衝突で壁に働く力が減少する
  2. モル体積の逆数に比例して、分子間力のために衝突の回数が減少する

という 2 つの影響が現れます。1 と 2 が両方働くため、{a}/{\bar{V}^2} に比例した補正項となります。

脚注

1 バー付きの V1 mol あたりの体積(モル体積) を示している(参照)。