カルノー サイクルの断熱過程で、内部エネルギー変化はなぜ −CV (ThTc)で表せるのか

カルノーサイクルの断熱過程で、内部エネルギー変化はなぜ −C(ThTc) で表せるのか

断熱膨張による温度低下に伴う内部エネルギー変化は

  \displaystyle \Delta U = \int_{T_{\rm h}}^{T_{\rm c}} C_V \, {\rm d}T  

で表されます。(「カルノーサイクルと冷暖房の原理」参照)

Cが定数(温度によって変化しない)場合は 上記の積分は CΔT、 すなわち

  \displaystyle \Delta U = C_V(T_{\rm c}-T_{\rm h})   ... (1)

となります。

断熱過程の体積と温度の関係は熱容量が入ってきたりして少し複雑ですが(問題19-17, 「断熱過程のP-V図がよくわからない」参照)、
温度差がわかっているときの ΔU については簡単に求めることができます。

内部エネルギーは温度のみの関数です。また定容熱容量 CV と内部エネルギー U には 次の関係があります。

  \displaystyle C_V = \frac{{\rm d}U}{{\rm d}T}   ... (2)

  \displaystyle {\rm d}U = C_V \, {\rm d}T   ... (3)

U は状態関数なので、この関係は過程が定容だろうと断熱だろうと成り立ちます。

というわけで、質問の式で断熱過程の内部エネルギー変化を得ることができます。