4つの過程のうち、PV=nRT に登場するP が一定なのが定圧過程、V が一定なのが定容過程、T が一定なのが等温過程で、それ以外の過程は全部断熱過程ということでいいですか?

4 つの過程のうち、PV = nRT に登場する P が一定なのが定圧過程、V が一定なのが定容過程、T が一定なのが等温過程で、それ以外の過程は全部断熱過程ということでいいですか?

おしい、最期が違います。
断熱過程は q = 0 という条件が付いています。

授業中、「全ての過程は以下の4 つの過程の組み合わせで表わせる」と言ってしまいましたが、
これは間違いで、「物理過程は、以下の4つの過程の組み合わせで表すことが多い」に訂正します。

4 つの過程とは 等温、断熱、定圧、定容 の 4 つの過程です。

(以下、図は以前の質問&回答の使いまわしですが)

PV 図に、温度を変えた等温過程の線を描いてみます。

青線は 100 K での PV 曲線、以降 200, 300, 400 K と温度が上がっていき、
赤線は 500 K での PV 曲線です。

これらは温度を高さとした「等高線」のように考えることができます。
実際に温度を z 軸とした図にすると

のように描けます。理想気体の状態方程式は、 PVT を変数とした 3 次元空間で一つの「面」を表しています。物質量が決まっていれば(ここでは 1 mol)、どんな変化を生じさせても PVT の関係はこの面から離れることはありません。

断熱過程の場合、図中の黒点(400 K, 2 bar, 16.63 dm3)を出発点とすると

(面上の)緑線に沿って移動します。

真上から描くと

となります。

例えば 状態 1 (400 K, 2 bar, 16.63 dm3) から 状態 2 (200 K, 0.352 bar, 47.16 dm3) に変化させる過程には、下図のように

過程A: 400 Kの等温膨張 → 47.16 dm3 の定容冷却(定容で熱を奪う)
過程B: 断熱膨張(膨張しつつ温度が下がっていく)
過程C: 16.63 dm3 の定容冷却 → 200 K の等温膨張
過程D: 2 bar で定圧膨張(定圧条件を保つにはかなり温度を上げる必要あり) →  47.16 dm3 の定容冷却

等の過程があり得ます。 内部エネルギーの変化 ΔU はどの過程でも 同じですが、qw は過程によって(どのルートを通ったかによって)異なります。(→計算例)

4 種の可逆過程(等温、断熱、定圧、定容)の組み合わせで表せる過程は他にもあります。が、PV 図で1 から 2 にまっすぐ直線で変化するような過程をはじめ、4 つの過程の組み合わせでは表せないような過程もたくさんありますね。