23-4 固体と液体の蒸気圧

解答

三重点では固体と気体の蒸気圧は等しいので、Ps = Pl として

 \displaystyle 24.320-\frac{3777 \rm\ K}{T} = 17.892-\frac{2669 \rm\ K}{T} 

(中身が等しければ、その対数も等しいので、上式のように右辺どうしを等しいと置ける。)
を解いて

 T = 172.3 \rm\ K 

これが三重点の温度である。これをいずれかの式に代入すれば三重点の圧力も求まる。

 \displaystyle \ln(P^{\rm\,s}/{\rm\ Torr}) = 24.320-\frac{3777 \rm\ K}{T}\\ \\ (P^{\rm\,s}/{\rm\ Torr}) = \exp\left(24.320-\frac{3777 \rm\ K}{T}\right)\\ \\ (P^{\rm\,s}/{\rm\ Torr}) = \exp\left(24.320-\frac{3777 \rm\ K}{172.3 \rm\ K}\right)\\ \\ (P^{\rm\,s}/{\rm\ Torr}) = 11.01\\ \\ P = 11.01 \rm\ Torr 

T を横軸としてPsPl をプロットしてみよう。
これは相図の固気共存線、気液共存線(飽和蒸気圧曲線)を描いていることに相当する。

塩素の蒸気圧

2 つの曲線の交点が三重点である。(相図であれば、ここからほぼ垂直上方に固液の共存線が伸びていく。)
気相と共存するのは、三重点以下の温度では固体(青線)、
三重点以上の温度では液体(赤線)となるので、相図に現れるのは上のグラフの太線の方だけになる。
(過冷却状態の液体の飽和蒸気圧は、上の赤い細線のように、液体の飽和蒸気圧曲線の延長線上になることが知られている。)

なお、教科書 p.984 で論じられているように、3重点近傍では
固体の蒸気圧曲線(太い青線)の方が液体の蒸気圧曲線(太い赤線)よりも勾配が大きくなる。