表19.2の のデータを用いて、次の反応の を計算せよ。
(a)
(b)
それぞれについて、反応が吸熱的か発熱的かを述べよ。
この問題、答えの単位が kJ となっているので、
を求めよ、ではなく、
を求めよ、だと思われます。
多くの場合、反応式の係数に合わせ、上の(b)だと、
CH4 1 mol と Cl2 4 mol が反応して CCl4 1 mol と HCl 4 mol が生成するとき
のエンタルピー変化のことを指します。この問題ではこれを求めてください。
単位は kJ となります。 は標準反応エンタルピーで、反応式中でどれかひとつ試薬を指定し、それが 1 mol 関与するときのエンタルピー変化、と定義されています。
単位は kJ mol−1 となります。
反応式中の係数が 1 の試薬を指定すると(上の例だと CCl4 や CH4 )、と同じ値となります。
なお、すべての反応物生成物は標準状態であるとします。
(参照)
注
- は標準生成エンタルピー、 は標準反応エンタルピー。
- 物質名(化学式)の後ろの(s)は固体状態を、(l)は液体状態を、(g)は気体状態を示す。
( は物質の状態(相)が異なると、違う値になる。) - 単体(上の例だと塩素 Cl2 )はふつう標準生成エンタルピーの表には載っていない。
標準生成エンタルピーは「分子を構成する元素の単体から、その分子 1 mol を生成させる場合の標準反応エンタルピー」と定義されているためである。
単体(表に示されている温度で通常の物理的状態にあるもの)の標準生成エンタルピーは 0 となる。
物質 | 化学式 | / kJ mol−1 |
エタノール | C2H5OH(l) | −277.69 |
エテン(エチレン) | C2H4(g) | +52.28 |
塩化水素 | HCl(g) | −92.31 |
テトラクロロエタン (四塩化炭素) |
CCl4(l) | −135.44 |
CCl4(g) | −102.9 | |
水 | H2O(l) | −285.83 |
H2O(g) | −241.8 | |
メタン | CH4(g) | −74.81 |