表計算ソフト「エクセル」では、セルの先頭に = (イコール)を入力することで数式や関数を使用することができます。
よく使う関数 1)正確には ^ や * は関数ではなく、「演算子」です。 を列挙します。
関数(演算子) | 内容 | 使用例 |
sqrt | ルートの計算 (例: ) (累乗を使っても計算できる) |
=sqrt(2) =2^(1/2) |
^ | 累乗 (例: ) (記号はハット、またはキャレットと読む。キーボード右上¥の隣にキーがある) |
=2^3 =2^(-1) =2^-1 でもOK 2) [エクセルの演算順序] 2^-1 でもOKなのはいいのですが、少し落とし穴があります。−(マイナス)という記号には2種類の使われ方があります。前に数字がある場合(3−1など)は3から1を引く、[減算]を意味しています。一方、前に数字がない場合(−2など)は後ろの2が負であるという、[負値]を意味しています。2^-1 の − は[負値]を表す−として使われています。エクセルの演算の優先順位をみると、「負値を表す−(マイナス)」と「減算を表す−(マイナス)」 の演算順序が違っており、演算順は「負値の−」>「累乗^」>「減算の−」になっています。2^−1は[負値の−]が[ハット]より演算順序が早いため、2^(-1)として処理されるわけです。これが別の演算では弊害となる場合があります。例えば、-2^2 は通常の数学演算では -4 となるのを期待するのですが、エクセルでは(-2)^2と解釈され、 4 となります。これを防ぐには、かっこを使って -(2^2)と書く必要があります。 |
sum | セルの値の合計 (例: A1セル~A9セルの9セルに入っている数値を合計する) (セルの始点と終点を : (コロン) で区切って入力。マウス操作でも指定できる) |
=sum(A1:A9) |
* | 掛け算 (例: ) (記号はアスタリスクと読む。数学では掛け算記号 × は省略できるが、エクセルでは省略できない) |
=2*3 =2*(1+2) |
/ | 割り算 (例: ) (記号はスラッシュと読む。必要に応じ分母や分子をカッコで囲う) |
=2/3 =2/(1+3) 注 3)2/1+3 という入力は通常の演算では 1/2 となることが期待されますが、エクセルではかっこをつけないと(2/1)+3と解釈され、 5 となります。 |
sin | 三角関数、サイン (入力はラジアンで行わなくてはならない。度で入力したいときは度をラジアンに変換する関数 radians を使う) |
=sin(pi()/6) =sin(radians(30)) |
radians | 度をラジアンに変換 | =radians(30) |
degrees | ラジアンを度に変換 | =degrees(pi()/6) |
pi | 円周率 π (カッコの中には何も記入しない) |
=pi() |
sinh | 双曲線関数、ハイパボリックサイン | =sinh(pi()/6) |
asin | 逆三角関数、アークサイン ( と書かれるが、サインの逆数 ではない。 sin は (= 30°) を入れると を返す関数だが、 sin−1 はその反対で を入れると を返す関数。(逆関数という) エクセルでは asin 関数を使って計算できる。) |
=asin(0.5) |
exp | e を底とする指数関数 (例: ) | =exp(2) |
ln | 自然対数 (例: ) (対数関数は負の値を入力するとエラーになる) |
=ln(2) |
log10 | 常用対数 (例: ) | =log10(1000) =log(1000) |
log | 対数 (例: ) (カンマで区切って、2つめの数値で底を指定する。2つめの数値を省略すると底は10になる) |
=log(8,2) |
他にも多くの関数があります。エクセルのヘルプ(エクセル中の fx というボタンを押す)も参照してください。
脚注
↑1 | 正確には ^ や * は関数ではなく、「演算子」です。 |
↑2 | [エクセルの演算順序] 2^-1 でもOKなのはいいのですが、少し落とし穴があります。−(マイナス)という記号には2種類の使われ方があります。前に数字がある場合(3−1など)は3から1を引く、[減算]を意味しています。一方、前に数字がない場合(−2など)は後ろの2が負であるという、[負値]を意味しています。2^-1 の − は[負値]を表す−として使われています。エクセルの演算の優先順位をみると、「負値を表す−(マイナス)」と「減算を表す−(マイナス)」 の演算順序が違っており、演算順は「負値の−」>「累乗^」>「減算の−」になっています。2^−1は[負値の−]が[ハット]より演算順序が早いため、2^(-1)として処理されるわけです。これが別の演算では弊害となる場合があります。例えば、-2^2 は通常の数学演算では -4 となるのを期待するのですが、エクセルでは(-2)^2と解釈され、 4 となります。これを防ぐには、かっこを使って -(2^2)と書く必要があります。 |
↑3 | 2/1+3 という入力は通常の演算では 1/2 となることが期待されますが、エクセルではかっこをつけないと(2/1)+3と解釈され、 5 となります。 |