今回は、行った学生の北川(麻績担当)・安田(岡谷担当)でお送りします。
今回はカタクリを見たいというので、出発しました。実はまだ咲いていないのではないか・・とかいいつつ、、。麻績でも岡谷でもたくさんのカタクリを
見ることができましたよ。それは追々・・。
では、スタートー(^^♪
まずは麻績に行ってきました。昔はここも宿場町だったそうです。
神社に行く前の道路での春を紹介します。
マダケ(ササ科)です。日本古来のタケで、みなさんが食べているのは、だいたいモウソウチクです。。実は中国原産です。節のリ ングが二重だったら、このマダケです。ササとタケは似てますけど、タケはまわりの皮が剥がれ落ち、ササは剥がれ落ちないというので、違いが分かります。 |
これは、フウロソウ科でアメリカフウロです。ゲンノショウコやハクサンフウロと同じ仲間ですけど、これは外来種で、北アメリカからやってき ました。 |
外来種といえば、これもそうです。ビロードモウズイカ(ゴマノハグサ科)です。アップにしちゃいましたけど、全体で30cmくらいだったと 思います。見たとおり、フサフサ、ビロードのような毛で覆われています。 これはトウダイグサ(トウダイグサ科)。大学の中でもよく見られます。トウダイグサ属は茎を切ったときに白い乳液がでます。ベタベタするの で、やりすぎには注意しましょう。(島野注:毒です.かぶれます) ヤブカンゾウ(ユリ科)で、若い葉は食用になります。湯でて、酢味噌となぜると美味しい。これはやや大きいですね・・。花は8 月くらいに黄赤色の花が咲きます。 さて、本題の神社の中の植物をみてみます! ドキドキ・・・ (島野注:お寺です) |
これはクサノオウ(ケシ科)です。草の王、で茎や葉を切ったときにでる黄色の乳液が有毒だが、薬になることからだといわれている。写真のつ ぼみの時の毛だらけながく片は開花とともに落ちてしまいます。 垣根(カキネ)も通ってしまうということから、カキドオシ(シソ科)。茎や葉をもむと良い香りが・・。 ヨーロッパ原産のセイヨウヤマガラシ(アブラナ科)別名はハルザキハマガラシです。葉は茎を抱いていて光沢があります。 |
これがウワサのカタクリ(ユリ科)です。カタクリは葉にシミがあります。カタクリ粉はこのカタクリの根でカタクリ粉をとってたそうです。今 はジャガイモとかですけど・・。なんとも、美しい花です。天気が曇りだったので、ちょっと恥ずかしそうなカタクリです。 |
これはアズマイチゲ(キンポウゲ科)です。これも下向いてしまっていますが、晴れた時にはもっと花が開きます。花は多数で、この花弁に見え るのは実はがく片だそうです。イチリンソウと似てますけど、イチリンソウは多数ではなくだいたい5枚です。 |
エンレイソウ(ユリ科)です。エンレイソウの属はtrillumでtril(3)。つまり葉が三枚です。そして、ユリ科だけ ど、網目状の葉もユリ科エンレイソウ属の特徴です。 |
これは検索したのに時間がかかってしまったハマダイコン(アブラナ科)です。アブラナ科は花びら4枚が特徴で、これでもわかるように、ダイ コンもアブラナ科なのですね。ハマダイコンはダイコンが野生化したものだといわれてます。(島野注:オオアラセイトウ,別名ショカッサイですね,これ.ハマダイコンも,オオア ラセイトウも,確か,種としてはダイコンと一緒なので,間違いではないとおもいますが) |
これはみなさん良く食べているフキ(キク科)。ここは神社なので、持って帰ってはいけません。 ↑(島野注:どちらもお寺です)→ |
そして、これがジュニアです。フキノトウ。これが大きくなったら、フキになるんですね。フキノトウは天ぷら、フキ味噌などに使われます。こ れはやや大きくなりすぎですね。神社だから持って帰ってはいけませんが・・。 |
これはウバユリ(ユリ科)です。あたり一面、たくさんありました。花の頃には歯が枯れてしまっていることが多いことから、「葉がない」の語 呂合わせでウバユリ。オオウバユリより雪が少ないところに生育し、花の数がオオウバユリは10〜20個程度と多いのに対して、3〜5個と少ない。セットに してチェック! |
同じくウバユリの抜け殻。ここの中に層になって、一個の花で410個前後の薄い翼のある種が入って飛んでいく仕組みである。 |
スーパーでよく見る顔・・ミツバ(セリ科)です。野生のミツバ。食べてみるとまさにミツバの味で、うどんに入れて食べるとおいしそうです。 |
コンロンソウ(アブラナ科)。互生・単葉・羽状複葉で検索しました。6月〜7月には白い花が咲くようです。 |
ツツジには珍しい淡黄色の花のヒカゲツツジ(ツツジ科)。ツツジはだいたいが毒です。茎を花瓶にさして、その水を金魚にあげないよう に、、、、、ということです。 |
やっぱり毛だらけで大人気のオキナグサ(キンポウゲ科)。写っていませんが、花の中は暗紅紫色でなんともステキです。 |
ここからの植物の紹介
は安田が担当します。 岡谷IC付近の出早雄小萩(いずはやこはぎ)神社で確認できた植物について、見ていきましょう! |
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最初に、上で北川さんが紹介してくれたオキナソウの別アングルからの写真を紹介したいと思います↑→ |
オキナソウの花の中の写真です。自分で撮影して興奮していました!ん〜、なんともキレイです♪ |
可愛らしい赤い花をぶら下げているこの植物の名前は、フタバアオイ(双葉葵,ウマノスズクサ科)といい、茎は地を這って伸び、先に2個の葉 を対生します。 フタバアオイの葉は徳川家の家紋として使われているんですって!昔から好まれている植物なんですね♪ |
こちらが左のフタバアオイの花を無理ヤリ枯葉で引っ張って撮った写真です。花びらが思いっきりめくれ上がっているのが見てわかると思います。アオイさん、 無理ヤリ上を向けてごめんなさい! |
これはウスバサイシン(薄葉細辛,ウマノスズクサ科)の葉です。フタバアオイと同じく茎は地を這い、先に長柄ある葉を2枚出します。 フタバアオイとの見分け方は右の花の写真を見れば一目瞭然!なのですが、みなさん、上の写真で花がどこにあるかわかりますか? |
フタバアオイの花のがく片は強く反り返るのに対し、ウスバサイシンの花のがく片は反り返らず、巾着型となります。 葉の下に隠れており、危なく見落とすところでした。。。 |
白くて可憐なヒゴスミレ(肥後菫,スミレ科)の花です。 島野先生はこのスミレをこのあたりでは初めて見たそうです。レアな植物に巡り合え、テンションがあがった一同でした☆ (島野注:信州では南信に多いようです) |
ヒゴスミレと同じところに生えていたプリケアナ(スミレ科)です。ヒゴスミレと同じところに咲いていたのですが、園芸品種であるプリナケア のほうがより個体数が多かったです。先生曰く、このままだとヒゴスミレは無くなってしまうかもしれないとのこと。。。 う〜ん、どちらの種もバランスよく残ってほしいものです! |
キバナノアマナ(黄花の甘菜,ユリ科)の花です。日当たりのよい草地や林のふちなどに生える多年草で、花は散形状に3〜10個 つけます。 |
上から見たキバナノアマナです。ここでは4個の花が散らばってついているのが見てとれますね。 |
これはタンポポです。。。しかし、ただの「タンポポ」ではありません。 このタンポポは総ほう片というところが直立しているので、カントウタンポポ(関東蒲公英,キク科)と同定できます。さらに,外総苞片に小角 突起がないので、カントウタンポポの亜種のシナノタンポポと同定でき ます。右の写真は同じタンポポでも、セイヨウタンポポという外来種なのです。。。詳し くは右の写真で!。 (島野注:長野県内でエゾタンポポ゚とされているのは,このシ ナノタンポポのようですね) |
こちらが外来種のセイヨウタンポポ(キク科)。 総ほう片がご覧のとおり、めくれ上がっていますね。 最近では都市部を中心に在来のタンポポが、セイヨウタンポポに次第に追いやられ、姿を消しているようです。セイヨウタンポポは強力な繁殖力を持った手強い 侵略者で、都市化の波に洗われている悪い環境に適応できる、という強みを持っています。このタンポポ同士の争いは自然破壊のバロメーターといえ、自然が 残っているところではまだ在来のタンポポが頑張ってます! 野外でタンポポを見かけたら、しばし足を止め、どちらのタンポポか確認してみてください! |
ん〜、実に美しい。なんてため息が聞こえてきそうです。。。これはニリンソウ(二輪草,キンポウゲ科)ですね。花を2〜3個つけ、茎葉があ り、花びらが5枚のため、 アズマイチゲやサンリンソウ、イチリンソウとの区分ができます。 |
ハート型の特徴的な葉を持つノブキ(野蕗,キク科)の登場です。これは小さいですが、50〜80cmまで成長します。 フキと似ていますが、葉の先がややとがり、葉柄に狭い翼があるので見分けがつきます。 |
これはソヨゴ(モチノキ科)です。葉にテカテカとした光沢があるのが特徴的な常葉樹です。樹高は5〜10m,胸高直径は10〜30cmにも なります。 |
キレイな紫色の花を咲かせているヤマエンゴサク(山延胡策,ケシ科)です。葉には葉柄があり、2回3出複葉です。別名ヤブエンゴサクともい います。 |
これはアブラチャン(油瀝青,クスノキ科)の花です。 山腹から沢筋の適湿地に普通に見られ、枝には芳香があります。 また、枝葉には油を含み、生木でもよく燃えるために薪として使われていたり、種子から油が取れ、かつては灯油として用いた地域もあるそうです! |
こちらは左の写真のアブラチャンとよく似た花をつける ダンコウバイ(檀香梅,クスノキ科)です。 見分け方は、アブラチャンの花には花序ありますが、ダンコウバイにはありません。また、葉が出てくると、ダンコウバイの葉は先割れスプーンのような形をし ているので同定しやすくなります。 |
僕の指よりも小さい可愛い花をつけているのは レンプクソウ(連福草,スイカズラ科)です。 名前の由来は、その昔、この草の地下茎がフクジュソウ(福寿草,キンポウゲ科)に繋がっているのを見た人がつけたものだそうです。 |
複雑な構造の花をつけているこの花は イカリソウ(碇草,メギ科)ですね。名前の由来は花の形を船の碇に見立てたことからだそうです。花の色はこの写真では白色です が、紅紫色の花をつけることもあるようです。ぜひとも見てみたいものです!!! |
ここからは、今回の野外調査の主役、カタクリに登場してもらいましょう! 岡谷の出早神社ではちょうど”カタクリ祭り”が開催されていました。 祭りと銘打っているだけあり、境内一面にカタクリが咲いていました。 その一部ですが紹介したいと思います! |
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いろんなアングルから@ いろんなアングルからB 右の二輪は白色の花をつけているカタクリです! 珍しいカタクリがあるから案内してあげるよ、といわれ境内にいた関係者の方に案内していただきました。 花が開いたところもぜひ見てみたいですね。 |
いろんなアングルからA 紫色と白色のカタクリのツーショット! 仲良く下を向いてますね〜♪ |
一面に咲き誇るカタクリ。圧巻です。 |
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以上、拙い説明でした
が、この時期に見られる植物の紹介をさせていただきました。 野外調査の機会を与えてくださった島野先生、同行してくださった清水先輩に、この場を借りてお礼申し上げます。 |
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参考文献 信州の野草/奥原弘人/信濃毎日新聞社 山に咲く花/山渓ハンディブック 野に咲く花/山渓ハンディブック 葉でわかる樹木/馬場多久男/信濃毎日新聞社 葉っぱでおぼえる樹木/濱野周泰/柏書房 |