南信植調こと,南信州植物・植生調査会なんですが,今回は松川町です.太田さん(奥様の方)にご案内いただきました. |
この辺は地質が花崗岩なんですね.真砂化しています.そのため... |
乾いた礫地なんかに生えるカワラハハコが生育しています. |
中間温帯林といえばツガ林. |
中をちょっと見てみましょう.写真は蛭間隊長. |
まずツガ. |
そしてネズミサシ.これも乾いた尾根に出ますね. |
これはヒメコマツの実です. |
落葉広葉樹もあります.コハウチワカエデの実生. |
ウメガサソウは,アカマツ林の林床なんかにでますね. |
ヤマナシ.野生のナシです.食べられるようなサイズではないですが,ちゃんと梨の実をつけます. |
ヤマナシ,葉の裏も見ておきましょう. |
おや,これはなかなか見ません,オノオレカンバ.一応重鋸歯ですね. |
葉の裏はこんな感じ. |
オノオレカンバの幹肌.横方向に細かい皮目が入り,その樹皮も木が太くなることで割れる. |
オノオレカンバの樹冠を見上げます. |
ツツジ科はナツハゼ. |
あ,先ほどどんぐりを見たヒメコマツ,本体もありました.そりゃそうか.いわゆる五葉松ですので,針状の葉が1箇所から5本出ます. |
これもツツジ科,バイカツツジ.雪の少ない太平洋側のブナ林に生育しますね.花が梅に似ているということで梅花(ばいか)です.あんまり似てないと思う け ど(笑). |
エゾエノキ.枝ぶりに特徴があって,水平に枝を伸ばすので,枝葉全体が平らに見えます.オオムラサキ(蝶)の食草. |
これは知らなかった.アキバギクだそうです.My新種. |
アキバギク,何が特徴かというと,集合花全体が小さいとのこと.なるほど,たしかに小さい. 調べると,ノコンギクの亜種(subspecies)になっているようですね. |
こちらはナガバノコウヤボウキ.花が茎の途中の節からいくつもつく.これが特徴.コウヤボウキの方は,茎の先だけに花がつきます.これが区別点. |
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アオミズです.ミズとの区別点は,まずアオミズの葉の鋸歯は下の方まであるのに,ミズが葉の途中くらいから鋸歯が始まります. |
それから,アオミズは花序に柄があります.ミズはない.これが区別点. |
マタタビですね. |
葉の裏をちょっとアップ. |
ヤマジノホトトギスです.これの特徴は... |
下向きに毛が密生すること.ホトトギスは上向きに毛があります.ヤマホトトギスは下向きなんですが毛が薄い.無毛に見えるものもあります.タマガワホト ト ギスは,ま,花が黄色なので,咲いていれば間違えませんね.(前回まで,ヤマとヤマジの説明が逆になっていました.訂正) |
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これもMy新種.モリイバラというんだそうです.特徴は,花が枝の先端に一つだけつくことだそうです. |
托葉も一応写真撮っておきましょう.あまり櫛状には切れ込まず,腺点らしきものも,あるのかもしれませんが,はっきりしません. |
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さて,山を出て,場所を移動.水辺にやって来ました. |
まずはヒナガヤツリ. |
アップだとこんなんです,ヒナガヤツリ. |
以前,佐渡で見ました. |
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ハリイですね.株の中心から放射状に茎を伸ばします. |
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タマガヤツリですね.カヤツリグサ科. |
アゼナかと思うんですが,ちょっと微妙.アゼナは全縁.鋸歯があるのはタケトアゼナやアメリカアゼナで外来種です.全縁のようですがちょっと低い鋸歯があるようにも見える.そうだとするとタケトアゼナ.うーむ. |
カワラスガナ...かと思っていたんですが,違いますね.イヌクグです.三枚の苞葉が非常に長い.で,苞葉の付け根から枝が何本かでて,そこに小穂群ををつける,二段構造のようになりますね. 前回の記述は間違っていました.訂正します. |
キカシグサ.これも農薬に弱いらしく,水田雑草としては,めったに見ない. |
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ヒキヨモギは,自分で光合成もしながら寄生もしてしまうという,半寄生植物.ま,寄生だけだとニートだから,半分でも自活していれば,いいほうか (笑). ゴマノハグサ科. |
モウセンゴケ.現在4年生で私の研究室に所属しているK君はモウセンゴケをテーマに卒業研究をしています. まあ,マニアだから仕方ないか.カラオケ言ってもアニソンばっかりだし(笑). |
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イトイヌノハナヒゲだとか.おお,My新種. |
この仲間,いろいろあって,難しいですよね.私は全然確信がもてません(涙).知っている人がそうだというので,「そうなんですか」としか言えない寂しさ. |
もう枯れていますが,オニスゲですね.ごつい. |
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葉の付け根の写真を撮りたかったんですが,時期的には,ちょっと遅かったですね. |
コウガイゼキショウ,花のアップ. |
ヤハズソウですね. |
ヤハズソウ,茎の毛は下向き.この写真じゃちょっとわかりづらいですかね. 似たマルバヤハズソウは,上向きの毛があります. |
私はパッと見て,イチョウウキゴケだと思ったんですが,コケにお詳しい太田さんの旦那様が後日ご覧になって,ハタケゴケだと判明.葉の断面を見ると,く し型なんだとか.確かに,写真もよく見るとイチョウウキゴケとはイメージが違いますね. |
アゼガヤツリでいいでしょうかね. |
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ところがこれ,茎を見ると断面が四角形.で,シカクイと同定します.ですので,上の小穂の写真もシカクイのもの. ハリイは茎の断面が三角形です.ちなみにヤマイの茎の断面は丸いです. |
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葉の付け根を横から.いじょう,ウシノシッペイでした. |
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コオニユリはむかごをつけません. |
こちらも植栽,チョウジソウ.花は終わって実がついています.「丁」の字型になっていますね. |
さて,これまた移動,田んぼの畦.草刈りされていますので... |
スズサイコなんかが見られます.ガガイモ科カモメヅル属.右端,左端の白いセリ科の花は別ですので注意. |
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またまた移動. |
ハリガネワラビですね.ヤワラシダと似ていますが,ハリガネワラビの側脈は,葉縁に達します.ヤワラシダは達しませんね. |
ナツノタムラソウですね,アキノタムラソウは雄しべ雌しべとも花の中で見えないんですが,これは見えている花があります.花の中から出ているのはナツノタムラソウ.前回までアキノタムラソウにしていました.訂正. |
全体で見るとこんな感じ,ナツノタムラソウ. |
この写真の葉は単葉ですが,下の葉は三出複葉でした. |
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こちらはユウスゲ.こんな状態でなんで分かるのかと聞くと,葉が細いのでわかるとのこと.後は,まあ,日頃からこの辺のフロラを知っているというのが前提 でしょうが. |
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カセンソウ,特徴はといえば,まず茎が細い.しかし,結構硬い.で,茎には毛が多い.茎から垂直外向きに伸びる. あとは,葉がやや茎を抱きます.こんなところが特徴でしょうか. |
こちらはクワクサ.草むらで写真を撮ると,どうしても背景がごちゃごちゃしますから,ここでは絞りを開けて背景をぼかしました. |
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こちらは,マルバウマノスズクサ.うーんそんなのがあるんだ.今日の新種.確かに,丸いというか,葉が横に広いですね. |
近くの畑.変な形になっちゃったんではなく,こういう形のピーマンなんだそうです.通称,ユーフォーピーマン.UFO型ということなんでしょう. |
というわけで,色々見ました. |