美しき花咲く山のあるといふ 春の信濃にそを確かめにゆかん

というわけで,この日は塩尻方面へ.

 まずはカントウマムシグサ.前回見たコウライテンナンショウは仏炎苞が緑でしたが,これは赤紫.

 さて,スミレ属.スミレの仲間は春に会うとその後の季節は会えないので(花ね),この時期に見ないといけません.まずはこれ, ヒカゲスミレ.

 ヒカゲスミレ,花は白く,側弁に毛があります.

 せっかくなので,もっとアップにしてみますか,ヒカゲスミレ.

葉の毛の具合はこんなです.以上,ヒカゲスミレでした.

 お,初見です.マキノスミレ.葉は細長く無毛です.

  マキノスミレの花のアップ.花柱はカマキリの顔,ですね.

 マキノスミレもう一枚.あまりいい写真ではないんですが,花を横から.距は細長いところに注目です.

 こちらは別のスミレ.ニオイタチツボスミレ.色に注目.普通のタチツボスミレは色が薄いんですが,これは濃い.で,花の中心部 は白いので,色のコントラ ストが高いですね.

 ニオイタチツボスミレの立ち姿.花が大変目立ちますね.

ニオイタチツボスミレ,葉はタチツボスミレと区別がつきません.

 こちらはアオイスミレ.

アオイスミレ,葉は丸っぽく,葉柄の毛が目立ちます.

アオイスミレの花柱の先は斜めに曲がるというか,斜めに切り取ったような形です.この写真じゃわかりませんが.

花を横から.葉柄には短毛が密生.

 これもアオイスミレなんですが,正面から.側弁に毛はありませんね.
 この,青というか,紫というか,すみれ色なんですが,昔からデジカメでは再現が難しい色です.また,日向(ひなた)か,日陰か で記録される色が違って きますので,皆さんも色々見てください.

 こちらはタチツボスミレ.これと比べると,先ほどのニオイタチツボスミレの花の色のコントラストの強さをわかっていただけるの ではないでしょうか.

 わかりにくいですけど,アケボノスミレ.花は薄いすみれ色が基本. 葉には短毛 葉柄はほぼ無毛

アケボノスミレ,葉には短毛がありますが,葉柄はほぼ無毛です.

 アケボノスミレ,花のアップ.この個体は側弁が有毛ですが,あったりなかったりするようです.この写真では花柱が写っていない ので...

 別個体で見てみましょう.こんな花柱です.カマキリ型.ちなみに距は短いです.以上アケボノスミレでした.

 かわって.モミジイチゴ.互生,単葉,切れ込み+鋸歯.

 モミジイチゴの花.あ,写真にあるように茎に刺がありますので,気をつけてください.

 再びスミレシリーズ.イブキスミレ.わさびのような葉が特徴です.

 ね,わさびの葉のようですね.花は殆ど終わりですが,距が白いのがわかります.

 イブキスミレの花.花柱は斜めに曲がるというか,斜めに切り取ったような形.側弁は有毛のものと,無毛のものがあるようです.

 林の木々はまだ芽吹いていません.

遠くに八ヶ岳.高圧線が邪魔ですが.

 では林内の植物を見て行きましょう.まずはシダ.シノブカグマです.

 ランの仲間です.ミヤマウズラ.

 こちらはウメガサソウ.ミヤマウズラもウメガサソウも花はまだですが,サイズとしてはこれで大人サイズです.

 マルバノイチヤクソウ.花はもう少し後ですね.白っぽい花が咲きます.
 文字通り,葉が丸い.ただのイチヤクソウは葉が縦に細長いのでわかります.

 春といえばこれ,カタクリですね.春,上方の樹木が展葉する前に,下層で光を浴びて光合成し,開花,結実...という春植物で す.スプリング・エフェメ ラル(春の妖精)なんて呼ばれたりしますね.

 お,ヒゲネワチガイソウですね.ナデシコ科.全縁の細長い葉が対生.

 こちらはヤマシャクヤク.ボタン科ですね.

 ヒトリシズカですね.花が咲いていました.

 ヒメマイヅルソウ.マイヅルソウは無毛なんですが,こちらは葉裏に毛あります.

 久しぶり.エイザンスミレです.葉はご覧のように切れ込んでいるんですが,花が終わった後,夏にかけて切れ込みが弱くなりま す.つまり葉っぱが膨らんで いくんですが,口では説明しづらいです(笑).

 エイザンスミレ,側弁は有毛.で,花柱はカマキリの顔.

 こちらはルイヨウボタン.葉はこれから開きますが...

ルイヨウボタン,花が咲いているものがありましたので,アップで.

 こちらはニリンソウ.

 ヤブレガサはこれからですね.今は傘を閉じた状態.

 キバナノアマナに...

 ...ホソバノアマナです.どちらもユリ科.

 またもやスミレ.こちらはシハイスミレ.

シハイスミレ,側弁無毛で花柱はカマキリ.

 イワウチワです.イワカガミは花が多数つきますが,これは花がひとつ.それと,葉の先が凹みます.

アクシバ.ツツジ科ですね.

山を降りて行くと,オオヤマカタバミが.花も何とか残っていました.

こちらは,ミヤマキケマン.花の数が多いですね.フウロケマンは似ていますが,花の数が少ないです.

 こちらはヒナスミレ.

咲いていました.

ヒナスミレの花は,側弁有毛,花柱はカマキリの頭.

葉の基部は心形で,先は長く伸びて尖ります.歯の表面,葉柄に毛が見えますね.

 こちらは変わって,エゾノタチツボスミレ.有茎種で,大きく立ちます.20cm位はあったかな.

 ヌマトラノオ.湿ったところに出ます.

マルバコンロンソウですね.

オオバノヤエムグラです.ヤエムグラが道端に出るのに対し,こちらは林内に生育.形も似ていますが,ヤエムグラは6-10枚の葉 が輪生し,幅が細い.こちら,オオバノヤエムグラは5-6枚が輪生し,名前の通り幅が広いです.

 レンプクソウ.緑色で地味ですが,花が咲いています.

 オドリコソウですね.

 おまけ.写真は槍ヶ岳.





というわけで,堪能しました.春も花粉がなければいい季節なんですが.ま,花粉がないと植物的には困りますね(笑).




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