2013年6月,長野県植物研究会の例会.土日の開催ですが,土曜,昼間は大学の仕事があり,でられませんでした.
 で,土曜の夜から合流.懇親会というか,情報交換会ですね.

 翌日.植物観察会.場所は旧堀金村.今は安曇野市ですね.

 まずはヨツバムグラ.アカネ科.名前の通り4枚の葉が輪生します.
 
 葉をよく見ますと,葉自体は全縁ですが,その縁に外向きの毛が生えています.地味ながらこれも特徴.


  こちらは,ヒメヨツバムグラ.先ほどのヨツバムグラと似ていますね.こちらは,葉の縁に毛がないか,あっても目立たないということで見分けます.ヒメヨツ バムグラは,湿ったところにでますけどね.葉自体も,ヒメ,ということで小さいです.



 トウダイグサ科.ハクサンタイゲキです.背が高い.ヘタすると70cmから1m位ある.

 それから,実に長い毛があるのも特徴.この写真でわかりますでしょうか.ハクサンタイゲキです.

 エゾタチカタバミですね.今は外来種のオッタチカタバミのほうがポピュラーかも.

 エゾタチカタバミ,茎に毛がありますがまばらです.写真のような具合.一方,外来種のオッタチカタバミは密な毛が生えます.

 オククルマムグラですね.茎にトゲがあり(写真でも見えますね),葉は基本的に6枚.オオバノヤエムグラは下で分枝し葉は4枚のものもあるということで す.

 樹木です.ヒトツバカエデ.別名は切れ込ま無いので,マルバカエデとも言います.伝統的にはカエデ科なんですが,今はムクロジ科とか何とか.
 ムクロジかよ!

 ミツバウツギですね.前のヒトツバカエデと同様,湿ったところにでます.川に面した崖とか.
 対生,三出複葉,鋸歯.

 ヤマサギゴケですね.基本的にはムラサキサギゴケなんですが,茎が立ち上がります.

 バッコヤナギです.ヤナギにしては太い葉.で,表面は写真のようなシワが有ります.そして...

 葉の裏には白毛が有ります.これに似たオオキツネアザミは葉の裏が白いんですが,白いだけで毛がない.こんなことで見分けます.

 ヤブスゲですね.葉は細いく,これに似たマスクサに比べ花の鱗片も細いです.

これに似たマスクサは鱗片が幅広いのが特徴とのこと.パッと見ね.検索表では,ヤブスゲの花柱が2本,マスクサの花柱が3本ということで,これで見分ける ことになっています.


 ヤブスゲの鱗片.細いといえば細いですが,比べないとわかりませんよね(笑).

 ヤブスゲ,一応根元付近の写真もとっておきます.

 こちらは,ミノボロスゲ.

 ええと,テキリスゲですね.触るとざらつきますので注意.

 これは初見です.ハガワリトボシガラ.花序はトボシガラという感じではないですね.

 このハガワリトボシガラ,上にある茎葉は普通のイネ科の葉のようですが...

 根本から出る葉はウシノケグサのようです.こんな葉っぱの違いが,「ハガワリ」トポシガラというわけです.

テキリスゲ

 ヘビノネゴザ.葉全体の写真がなくてすみません.鱗片の真ん中に黒い線があるということで,その写真を撮りました.

 ものは変わって,トリアシショウマ.小葉の基部が心形になるのがアカショウマとの違いですが.その違いは連続していて,分けられないという人も.
 ま,あまりこだわらないのがいいのかも.

 おお,ドジョウツナギですね.お米の穂のような形が外見上のポイント.それと,写真ではわかりませんが,葉が先まで丸いというのもポイントとか.

 アヤメですね.ハナショウブやカキツバタに比べると比較的乾いたところにでます.下唇の模様が特徴.

  これはちょっと難しいですね.ヤマミゾイチゴツナギ.普通のミゾイチゴツナギは枝が垂れるんですが,こちらは垂れない.垂れているように見えても,このく らい.

 ヤマミゾイチゴツナギ,穂はこんな感じです.

 そして,葉舌は写真のように長いです,ヤマミゾイチゴツナギ.ミゾイチゴツナギは葉舌が短いんですが,葉の付け根が斜めになっているので,まるで葉舌が 長いようにみえるんですが実は短い.こちらはほんとうに長いです.

 林道というか,歩道沿い.土壌断面が見れました.赤茶色の粘土が顔を出しています.火山灰土壌ですね.関東ロームなんかと一緒.

  シダです.オオバショリマ.比較的標高の高いところに生育します.特徴は...

 これ,鱗片が白いことです.秋になるとまた変わってしまうんですが,初夏はこれ.オオバショリマでした.

 エナシヒゴクサですね.先端が雄小穂.下が雌小穂.ただのヒゴクサは,雌小穂に柄があって垂れるんですが,これは柄がないので立っています.

 こちらもスゲですが,コジュズスゲ.苞が長いのがこのコジュズスゲとグレーンスゲの仲間.花柄より葉のほうが長いのでコジュズスゲ.花柄のほうがながけ ればグレーンスゲです.

 いや,難しいですよね.オタルスゲです.果胞は二面性.って言われてもわからない人もいますよね.ま,そうだと思います.で,テキリスゲに似るんですが テキリスゲは果胞に空気が入り膨らむということですが,オタルスゲは膨らまないということです.

 オタルスゲ,別の表情を.ま,穂を分解して同定するとしても,やはりぱっと見で見分けたいじゃないですか.

 オタルスゲ,葉鞘は茶色で毛が出るということなんですが,葉鞘の写真は撮れませんでした.花茎の基部だけ.

 川沿いの気持ちのいい散策路でした.

 樹木.アオハダ.互生,単葉,鋸歯.葉脈が顕著.写真にはありませんが,短枝も特徴ですね.

 イネ科,ヌカボシソウ.花は長めの枝先につけるのが特徴.ヤマスズメノヒエも似ていますが,ヤマスズメノヒエは花が集まるということが見分けてんです.

 ヌカボシソウ.スズメノヤリのように毛が生えていますね.

 ヌカボシソウ,実のアップです.

アオイスミレ 白い毛が密生

 オニシモツケですね.雪国というか,日本海型の分布です.ユキノシタ科.

 スゲ.日本海型の植生で,細い葉のスゲ.大体はこれ,ニシノホンモンジスゲ.葉が細いですね.

 ニシノホンモンジスゲ,ちゃんと花穂も写真を撮ります.こんな感じ.

 こちらはシラコスゲ.雌小穂,雄小穂とも小穂1つだけつきます.

 葉もこんな感じで細いですね,シラコスゲ.

 カニツリクサ.花穂が金色に光って見えますね.

 ハナネコノメ.図鑑を見るときれいな花の写真がでていますが,花にはなかなか出会わない.春早いですからね.で,花のない時期の写真がこれ,葉が丸く て,茎に毛が多い.

 標本用にオオメシダの葉を取られた方がいらしたので,写真を取らせていただきました.

 オオメシダの羽軸,鱗片.こんな.

 葉の表面は細かくくぼんで立体な感じ.理由の一つはソーラスが付いていることにあると思います.

 これですね.ソーラスはハの字につきます.見事.

 私の左手に蝶が止まったので,カメラを渡し,写真をとってもらいました.ヤマキマダラヒカゲ.

 これは左手に止まったので,自分で写真撮れました.多分,シマハナアブ.もしくはそのあたりの種.ハナアブ科の昆虫ですね.

 でろーんとしていますが,イワシロイノデ,とのこと.

 鱗片.サカゲイノデのような,幅広く,明るい茶色の鱗片ですね.

 皆さん速いんですよ.私はいつも最後尾.ま,写真撮ってるからなんですが.

 河畔の林道歩き.

 カラクサイヌワラビ.以前にも紹介しましたが...

上向きの最下小羽片が軸にかかるのが特徴.

 オオハンゴンソウですかね.外来種.いつも花で判断してしまうので,花がないと自信がない.今度花があるとき,葉もきちんとみましょう.

  こちらはゴマナ.

 オドリコソウが群生.お見事.

 エゾタチカタバミ.こちらは花が咲いていました.

 シロバナニガナ.

 ツボスミレ.湿ったところですね.

 大型のシダ,イヌガンソク.

 こちらはコウモリカズラ.葉が盾状につきますね.

 シシガシラの胞子葉.

 ヤマサギゴケですね.花柄が立ちます.

そんなことでエクスカーションを終了.







知っている人たちと歩くと,いろいろ新しい発見があって楽しいです.皆様,またよろしくご指導ください.まる.




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