上越へ来ました.2014年の8月のことです.暑い暑い.


松本からは,長野道,上信越道,北陸道を通って,名立谷浜インター.で,高速をおります.空は青く,海も青い.素晴らしいですね.あ,写真は車が全然通ら ない道なので,車を一旦端に停めて(ハザード点灯)パシャリと一枚.

  名立方面へ向かいます.まずは岩谷堂観音堂というところに来ました.日陰という意味では涼しいんですが,松本と違い,じっとりと湿度が高い.
 写真右手が大きな岩の崖になっていて,なかなか雰囲気のあるところです,ここ.

 で,その境内.アマチャヅルです.葉の表面に毛が散生しています.
これと似たヤブガラシは無毛なので見分けられます.

 アマチャヅルのもう一つの特徴.葉の付け根からツルを出します.ヤブガラシは反対から出ますので,ここも違い.ま,葉の毛の方がわかりやすいですね.

 ミヤマイラクサです.互生.同じイラクサ科のムカゴイラクサも互生ですが,サイズが全然違います.ミヤマイラクサは大きい.
 若い芽は山菜で食べられるそうですが,大きくなってからのトゲの痛さを知ると,とても食べる気にはなりません.

  ヤダケですね.タケ,と名がついていますが,稈鞘(かんしょう,タケノコの皮の部分のこと)が残っているので,その意味ではササですね.高さは2mとかありますが.

 キカラスウリ.カラスウリと違って葉の表面が革質で,テカった感じ.信州もこればかりで,関東地方で普通に見られるただのカラスウリはレッド・リストな んですよ,なんと.

 車を走らせます.神社の案内あり.道が細い!で,たどり着きました,雁田神社(かりたじんじゃ).子宝を授けるご利益ありとあります.私の他にも若い カップルが来ていました.カップルというか,若夫婦ですね.子供欲しいんだから.

 境内に石の祠があって,コケむした屋根からはノキシノブが生えていました.ヒメじゃないよね.

 こちらは樹木の皮が苔むしていて,トラノオシダが生えています.

 さて,名立を離れ,桑取(くわどり)へ.ここには上越市の市民の森というのがあって,地元のNPOの方々が保全や案内などをされています.
 土・日曜なんかは山上にある管理小屋(コーヒーを飲めたりする)まで車で送迎してくれたりします.
 詳しくはこちら http://kuwadorishiminnomori.web.fc2.com/

 渓畔にミヤマカワラハンノキ.典型的な分布の一つですね.日本海側の多雪地に生育する種です.後でアップの写真が出ます.

  マタタビです.キウイフルーツはこれの仲間.
  カタツムリ ですね.一口にカタツムリと言っても種類はいろいろあります.そりゃそーだ.写真のカタツムリの場合,空の巻き方が左巻きというようで,代表的なのはヒダ リマキマイマイ.これでしょうか.
 wikiによる地,ヒダリマキマイマイは半樹上性で湿った場所を好むとか.

  キツネノボタンですね.比較的湿ったところに出ます.

 バッタ.いや,バッタなのは分かるんですが,そっから先が難しい.
 翅の短さから,ヒメフキバッタ,アオフキバッタ,ミカドフキバッタなんかかと思うんですが...難しいです.

  ミドリヒメワラビでしょうか...自身がないので,帰ってから佐藤先生に教えていただきました.ミドリでなくて,ただのヒメワラビとのこと.
 3回羽状複葉で大きい.

 ミドリヒメワラビは小羽片の柄(へい)が短いながら明確にあるのですが,これはない.ということでヒメワラビとのこと.
 なるほど.

 葉の裏の写真も一応とっておきました.胞子嚢群はまだ未熟なのでよく分かりませんでした.

  こちらは代わってイヌガンソク.この写真だとイヌガンソクの大きさが伝わりませんね.

  ヒメシダ.湿っていて,明るいところに出ます.

 先ほどのミヤマカワラハンノキのアップです.葉の先は出っ張ったり,引っ込んだり.

 こちらもミヤマカワラハンノキ.葉が比較的丸いタイプ.

これもミヤマカワラハンノキです.葉が横にひろいタイプ

  ミヤマトウバナです.久々に見た.イヌトウバナに似ていますが,萼の毛が短いんです.イヌトウバナは萼から直角に長い毛を出しますので,見分けられます が,たまに毛の長さが中途半端なもののあって,迷います.

 クサアジサイですね.普通のアジサイは木本で葉は対生に付きますが,こちらは草本で葉は互生.

 似た植物を2つ.こちら,ヤマノイモ.葉は対生します.栽培種のヤマノイモは葉の中間ががもっと凹んでいて,ぞうさんの顔を正面から見たようになってい ます.

こちらは似ていますが,オニドコロです.葉は互生に付きますので,葉が一枚一枚付いているように見えます(というかそんとおりですが).
 ヤマノイモは2枚セットで葉が付きますね.

 それと,このオニドコロ,葉柄の付け根にムカゴをつけます.写真でも茎(ツル)から葉が出るところの反対側に茶色い球がありますね.これです.生で食べ られます.美味しいんですよ.

 ミヤマハハソ.ハハソとはコナラといったナラの仲間の古い呼び方ハハソと書いてホーソと読んだり,いろいろあります.で,このミヤマハハソ,コナラなど の仲間では全然ありません.他人の空似.

 ツルニンジンですね.別名ジイソブ. 近縁種にバアソブがあります.

 見分け方はこうです.ツルニンジンの葉の裏は白いが無毛です.
 一方バアソブは白毛が生えていてこれで白く見えます.

ミゾホオズキ.これも水路脇など湿ったところに出ますね.

 オタカラコウです.これはデカかった.2m近くになっていました.
 メタカラコウと似ますが,オタカラコウはひとつの花の中に舌状花が5-7個, メタカラコウは2-3個です.
 あとは葉.オタカラコウの葉は丸く尖ったところが無いですが,メタカラコウは葉の先や両脇が尖ったりします.

  スズメノヒエ.小穂の背中がひろく見えます.外来のシマスズメノヒエはこの幅が狭く,実に長毛があるので見分けられます.

 またバッタを見つけてしまいました.キリギリス科ですよね.ヒメギスあたりでしょうか.その辺か,ずばりヒメギスか.うーん.

  イガホオズキだと思います,多分. イガホオズキ属です.近縁のホオズキ属は葉に鋸歯があるがこちらはないということでイガホオズキ属.

  花を見ましょう.萼にトゲ状の毛があります.同じナス科のナス属は花弁が長く反り返るんですが,こっちはそういうことがありません.
 萼に毛が会えているんですが,実が熟す頃にはいがの先端から毛が出ている状態を確かめられます.

  サカハチチョウの夏型でしょう.多分.専門じゃないので間違っていたらごめんなさい.

 シダシリーズ.クジャクシダ.美しいですね.放射状に葉が広がっているように見えますが,これ全体で1枚.この形がクジャクが羽を広げたようにみえると いうことでこのネーミング.

 ゼンマイ.山菜になりますが,こんなに葉が広がってからではダメです.

 おなじみリョウメンシダ.表から見ても,裏から見ても同じような姿に見えます.

 あまりいい写真でなくてすみません.ヤマイヌワラビ.これも佐藤先生に確認していただきました.残念ながらカラクサイヌワラビではなかった.
 イヌワラビは葉が縦に長く伸びるのですが,ヤマイヌワラビは三角形のイメージ.
 カラクサイヌワラビは小羽片の最下少裂片が羽軸にかかるんですね.
 

最後はまたバッタ(笑).キリギリス科で,クサキリの仲間だと思います.で,
クサキリ:額はあまり尖らない.口はオレンジ色.
ヒメクサキリ:額は尖り気味.口は黄色.
クビキリギス:額は尖って突き出る.口は赤色.

ということなので,ヒメクサキリでいいのではないかと思うんですがいかがでしょうか.

今回は時間切れで上越市民の森の奥のほうまではいけませんでした.ま,又の機会に.


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