演算子の「線形」ってなんですか?

「線形性」と言われたときに使ってもよい操作はなんとなくわかるんですが、
「線形性」とは何か? といわれるとあまりピンとこないです。

演算子の「線形」については、教科書の(3.9)式に定義があります。

\hat{A}[c_1 f_1(x)+c_2 f_2(x)] = c_1 \hat{A} f_1(x) + c_2 \hat{A} f_2(x) ... (3.9)

(c1, c2 は定数(複素数でもよい))

つまり、

演算する前に (関数 f を) 定数倍しても
演算した後に 定数倍しても
同じ

演算する前に (関数 f1f2 の) 和をとっても
演算した後に 和をとっても
同じ

というのが「線形」演算子です。

教科書に載っているように、

微分する
積分する
x2をかける
等の演算子は「線形」

2乗する
平方根をとる
3を足す
等の演算子は「非線形」(線形じゃない)

です。

Chap.4 の 「仮説2」(p.128)で出てくる、「観測量に対応した演算子」はすべて線形演算子です。

「ある状態」を 2 つに分けて それぞれ物理量を測定すれば、 全体の物理量はその和になる。

「同じ状態」が  3 つあれば、測定される物理量は ちゃんと 3 倍になる。

というようなイメージでしょうかね。