微分方程式(1)を「解く」というのは、微分方程式中の関数 (この場合は ψ )が、どんな数式で表せるかを示せ、という意味です。
ここでは ψ が示されている(解が示されている)ので、これを方程式に入れて、等式が成り立つことを示します。
(1)の波動方程式を解いて 解 (2)を導くことは困難ですが、
(2)が (1)の解になっていることは比較的簡単に確かめることができます。
(1)の左辺に(2)を代入して、(1)の左辺が = 0 となることを示せば よいのです。
ただし、(1)式中の E (振動している粒子の全エネルギー)は 問題中では与えていませんでした。調和振動子の E は 振動の量子数を V として
となることを知っていれば、「最もエネルギーが低い」ので、 V = 0 で
…(4)となるので、これを代入します。この値は (1)の左辺が正しく計算できれば、固有値として得られます。
何人か、
(2)式を(1)式に代入すると、(1)式に示されているように 左辺 = 0、なので、
(2)式は(1)式の解である。
としている解答がありました。
出題は、「(2)式が(1)式の解になっているかどうかはわからないので確かめてください」、という意図なので、(1)式の等式は成り立っているかどうかまだわかりません。よって(1)式の等式自体を解答に使ってはいけません。
上で示したように、(1)式の左辺、右辺をそれぞれ計算して、等しくなることを確かめる、という手順になります。