授業アンケート(物化II, 2020)

信州大では授業アンケートを実施しています。
本年度はコロナの対応もあったので、少し詳細に見たいと思います。

Memo
理学部長に働きかけを行い、事務柏原さん、生物高梨先生、化学太田先生らの協力を得て講義室の2/3の教室に常設PC, カメラを設置。同時中継授業が行える体制を整える。授業のためのマニュアルを作成、教員向けの説明会も行った。説明会にはかなり多数の教員の参加(2/3くらい?)があったが、残念ながら同時中継授業を採用した教員の割合は低かった(?, 把握できず)。
授業は当初2回は原則オンラインで行うというアナウンスが授業開始直前に行われた。(学生への周知は少なくとも2週間前には行うべきだった。) 教室入室は定員の1/2まで。
この授業は幸い大きめの部屋だったので、全員が入室できる状況にあった。対面、オンライン参加のどちらでも可、ただし対面推奨、として第1回から同時中継授業を行った。3/4程度が対面で受講。ただしオンライン受講者、欠席者が少しづつ増加していった。
1月からは学部の指示で全面オンラインに切り替え。当初2週間の予定だったが、結局1カ月に延ばされた。
google classroomを利用し、毎週提出必須の「豆テスト」を課した。(採点の上、返却。Kamiというオンラインで書き込めるアドインを使用。) 提出状況に応じ、加点した。
授業はZoom上で録画し、google classroomで後から見直せるようにした。
webカメラを利用し、演示実験等も見せるよう工夫した。

回答率 28/41  (68.3%)

2. 授業目標に到達しましたか

強くそう思う そう思う どちらでもない そう思わない 全くそう思わない
7.1% 64.3% 28.6% 0% 0%

「強くそう思う」と答えてくれた人が少ないのが反省点ですが、「そう思わない」は0名だったのでまあまあでしょうか。概ね理学部の平均値に近い値となっています。

3. シラバスは役に立ちましたか

強くそう思う そう思う どちらでもない そう思わない 全くそう思わない
7.1% 60.7% 32.1% 0% 0%

4. 適切な授業外学習が課されましたか

強くそう思う そう思う どちらでもない そう思わない 全くそう思わない
39.3% 50.0% 10.7% 0% 0%

理学部平均よりは良い値となりました。毎週の豆テストが評価されているのだと思います。

5. 一週間あたりどのくらい授業外で学習しましたか

30分未満 30分~1時間 1時間~2時間 2時間~3時間 3時間以上
10.7% 57.1% 28.6% 3.6% 0%

概ねこちらの想定(1時間弱)程度の授業外学習をしてくれていると思います。

6. あなたの態度は良かったですか

強くそう思う そう思う どちらでもない そう思わない 全くそう思わない
7.1% 71.4% 14.3% 3.6% 0%

7. 授業の一連の経験を通して、達成感を得ましたか

強くそう思う そう思う どちらでもない そう思わない 全くそう思わない
7.1% 71.4% 21.4% 0% 0%

理学部平均よりは5が少なく、4が多い結果となりました。できることなら、「強くそう思う」というようなしっかりした知識を得てもらえるようにしたいところですね。

8. できるようになったことや学んだことを書いてください。

意見 教員より
・ マクロとミクロを繋ぐこと
・ 熱力学について学んだ。
・ 分子運動論
・ 高校までで習った熱力学や理想気体の状態方程式が実際の化学でどのように適応できるかどうか
・ 相図の書き方
・ 統計熱力学を使って分子や原子の振る舞いについて分かるようになった。
・ ボルツマン分布の意味を理解できた。
・ マクロな考え方とミクロな考え方
・ 分子の熱運動について学ぶことができた。
・ ミクロな世界とマクロな世界の関連性を知ることができた
・ 分子運動論や物質の三態について。
・ 分子運動を熱力学の観点から考えることができた
「ミクロとマクロをつなぐ」というのがこの授業のテーマでした。概ね、意図した理解を得てくれたものと思います。
・ 最履修をして、もう一度講義を聴くことでよく理解できたように思います。 それは大変良かったと思います。テストの結果から、「もう一度講義を聞いてもらった方がきちんと理解できるだろう」という人を再履修としていますが、過度に落ち込んでしまったり、物理化学への苦手意識を強く持ってしまったりして、化学への興味を失ってしまうことを常に心配しています。理解が深まったようで、何よりです。

9. もっとも価値があったもの・ことを入力してください。

意見 教員より
・ 温度とエネルギーの関係がわかったこと
・ 熱力学について学んだこと
・ 分子運動論
・ まくろとみくろの視点からつなぐ
・ 難しい内容をわかりやすくまとめていてわかりやすかった
・ 理想気体と現実気体の違い
・ 実在気体の状態方程式を近似的に求めることがわかったこと。
・ 公式の導出や式とグラフの関係を詳しく学べたこと
・ 分子運動や分子状態について、図やグラフなどでわかりやすく学ぶことができた。
・ 実在気体について式で知ることができたこと
・ 熱力学の知識が深まったこと
内容を理解してくれたようで、よかったです。
・豆テストの実施
・豆テスト
本年度は、豆テストは授業時間中ではなく、授業終了後にオンラインで受講してもらいましたが、概ね好評なようなので継続したいと思います。

10. 授業は自ら考える姿勢を身につけるのに役立ちましたか

強くそう思う そう思う どちらでもない そう思わない 全くそう思わない
21.4% 64.3% 14.3% 0% 0%

11. この授業をよくするための建設的意見(良い点・悪い点)がありましたら書いてください。

意見 教員より
・ 板書が少し速かった気がします。 説明は比較的わかりやすいかったです。
・ 板書があちこちあとから付け加えられて難しいです。
・ オンラインで受けている時に字が小さいことがあったのでもう少し大きめに書いてもらえると助かる。
教室の授業をオンラインに同時中継するハイブリッド授業は、今年度初めて取り組む形で、まだ改良の余地がありそうです。
使える黒板が狭いため、一度にいろいろ書き込もうとしてしまったところがありました。改善を試みます。
・ 説明が丁寧でわかりやすかったです。 今後もできるだけ丁寧に説明するように努めます。
・ 授業内容に関連する実験を見せてくれたので、とても分かりやすかったです。
・ 実際に実験して、示してくれることがわかりやすくて、良い点だと思った。

 

演示実験は、ネタを仕込んで、増やしていきたいですね。
・ 授業後の豆テストはその日の復習になっていたので学習を効率的に出来て良いと感じた
・ 毎回の豆テストは、授業の復習にもなるのでとても良いシステムだと思います。
・ 豆テスト提出までの時間が基礎物理化学の時より長くなっており、授業を思いだしつつ、ゆっくり解答できたので授業の理解をするのによかった。
豆テストは今年度の方法を継続していくようにします。
・ 豆テストをすることで、テスト勉強を具体的に何すればいいかわかるのが良いと思う。あと、テストの難易度が適切であると思う。 テストは
・ 授業や豆テストの内容を丸暗記すればできる部分(30%くらい)
・ 授業の内容を基に、豆テスト等の問題の視点を少し変更した問題(50%くらい)
・ 授業の複数の内容を組み合わせたり、意外な応用を問う問題(20%くらい)
という意識で作成しています。

 

大学入学時は、多くの人が「丸暗記」でテストに臨んでいると思いますが、実際には内容を理解することが重要です。これは「面白さ」を感じるためにも必要です。最初は丸暗記でもよいので授業の内容を頭に入れた後、内容を「理解」して、「おもしろい!」と思ってもらえるような授業構成をめざしたいですね。

・ 特になし