どうして圧力が低い時は気体は理想気体としてふるまうのか

どうして圧力が低い時は気体は理想気体としてふるまうのか

  \displaystyle T = \lim_{P \to 0} \frac{P \, \bar{V}}{R}   ... (16.3)

気体のふるまいが理想気体からずれてくるのは、「分子自身の体積」と「分子間の相互作用」のためですが、どちらも分子の密度が高くなってくると影響が大きくなってきます。

気体における P\bar{V} の積はおおむね一定であり、P が小さくなると \bar{V} は大きくなります。

P が 0 に近い極限では \bar{V} は非常に大きく、分子の密度は非常に小さくなり、結果として分子間の平均距離が大きくなって、分子のふるまいは理想気体に近くなります。平均距離が十分に大きいと、分子の個性=「分子自身の体積」や「分子間の相互作用」の影響は小さくなり、分子は単に「運動する粒」とみなせるようになります。P \to 0 の極限では、すべての分子が理想気体としてふるまいます。