最小値なので、レナード – ジョーンズ ポテンシャルの式
... (16.24)
を r で微分し、これが 0 となる r を求めます。
式(16.24) をプロットしてみます。
式中、カッコ内の第 1 項が分子間の反発力(グラフの赤線; 分子が近づくほどエネルギーが高く、不安定になる)、
第 2 項が 分子間の引力(グラフの緑線; 分子が近づくほどエネルギーが低く、安定になる) に起因するポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)を表しています。
両者を足したのが青線です。グラフはその位置でのポテンシャルエネルギーを表しており、その傾きがその位置で分子に働く力に対応しています(F = − dU / dr )。分子同士が十分離れているところから青線をたどってみます。
分子が十分に離れているときは分子間には力が働かず(グラフの傾きが0) ポテンシャルエネルギー U も 0 ですが、
分子間距離の数倍(2 σ ~5 σ)まで近づくと分子間には引力が働くようになり(傾きが正)、分子が近づくにつれてエネルギーは低下します。
r が 1.12 σ 付近まで来るとエネルギーは最小となります。 この位置では分子に働く力は 0 になります(傾きが 0)。分子の運動が小さければ、2 つの分子の距離はこの位置で止まり、安定になります 1)実際にはこの位置を中心に振動する。(r が大きくなったり小さくなったりする) 。
分子間の距離がさらに近づくと、分子間には反発力が働き(傾きが負)、エネルギーは急速に増大します。
正しく微分ができれば、 のとき、ポテンシャルエネルギーは最小となることが分かります。(2 の 1/6 乗 = 2 の 6 乗根 = 約 1.12)
これを 式(16.24) に代入します。
脚注
↑1 | 実際にはこの位置を中心に振動する。(r が大きくなったり小さくなったりする) |