Σ pj Ej がなぜエネルギーの平均値になるのか

Σ pjEj  がなぜエネルギーの平均値になるのか

エネルギー E1, E2, E3 … を持つエネルギー準位があるとして、

それぞれの準位に分子(あるいはアンサンブルの中の系)が
n1, n2, n3 …  個ずつ存在しているとします。

エネルギーの総和は

 \displaystyle n_1 E_1 + n_2 E_2 + n_3 E_3 + ... = \sum (n_j E_j) 

となります。エネルギーの平均値は、これを分子の総数

 \sum n_j 

で割れば得られます。

 \displaystyle \langle E \rangle = \frac{\sum (n_j E_j)}{\sum n_j} 

変形すると

 \displaystyle \langle E \rangle = \frac{\sum (n_j E_j)}{\sum n_j} = \frac{n_1 E_1}{\sum n_j} + \frac{n_2 E_2}{\sum n_j} + \frac{n_3 E_3}{\sum n_j} + ... 

ここで n1 / Σ nj は 「1 番目の準位に存在する分子(系)の数」を「分子の総数」で割ったものですから、「1 番目の準位に分子(系)が存在する確率」 pj になっています。

よって

 \langle E \rangle = p_1 E_1 + p_2 E_2 +p_3 E_3 + ... =\sum p_j E_j 

が得られます。

「エネルギーの平均」ではなく、「身長の平均」と考えるとわかり易いかもしれません。
今、身長 150 cm の人が2人、160 cm の人が 5人、170 cm の人が 3人いるとします。

j 身長 hj 人数 Nj 確率 pj
1 150 cm 2 0.2
2 160 cm 5 0.5
3 170 cm 3 0.3

身長の平均値 \langle h\rangle は、冒頭の式と同じ式を使い

 \displaystyle \langle h \rangle = \sum_j p_j h_j = 0.2 \cdot (150\rm\ cm) + 0.5 \cdot (160\rm\ cm) + 0.3 \cdot (170\rm\ cm) = 161\rm\ cm 

と求められます。(この例では身長が量子化されているわけですが。)