19-38 反応エンタルピー

fugou解答

係数に注意して、生成物の \Delta_{\rm f}H^\circ (標準モル生成エンタルピー) の和から、反応物の \Delta_{\rm f}H^\circ の和を引けばよい。
(差 Δ は 新しいもの(この場合生成物)から 古いもの(この場合反応物) を引く)

(a)

\rm C_2H_4(g) + H_2O(l) \to C_2H_5OH(l)

\Delta_{\rm r} H^\circ = \{-277.69\} - \{52.28+(-285.83)\}{\rm\ kJ} = -44.14 {\rm\ kJ}

(b)

\rm CH_4(g) + 4 Cl_3(g) \to CCl_4(l) + 4 HCl(g)

\Delta_{\rm r} H^\circ = \{(1 \rm\ mol)\cdot(-135.44 \rm\ kJ\ mol^{-1}) + (4 \rm\ mol)\cdot(-92.31 \rm\ kJ\ mol^{-1})\} - \{(1 \rm\ mol)\cdot(-74.81 \rm\ kJ\ mol^{-1}) + (4 \rm\ mol)\cdot(0 \rm\ kJ\ mol^{-1}) \} 

 = -429.87 \rm\ kJ 

どちらの場合も \Delta_{\rm r}H^\circ は負の値になっている。これは系から周囲へ熱が流れている(系がエネルギーを失っている)ことを示している。
従って、(a), (b)とも反応は発熱的。 1)高校で習う熱化学方程式とは符号が逆になるので注意。高校では「系から周囲にエネルギー(熱)が流れた」ときを+としたのに対し、エンタルピーは「系がエネルギーを得た」ときを + としているため。

単位は、(b)の途中の計算で示したように、係数に相当する mol 量の物質が反応するので単位として mol が入り、
kJ mol−1 ではなく kJ になります。

脚注

1 高校で習う熱化学方程式とは符号が逆になるので注意。高校では「系から周囲にエネルギー(熱)が流れた」ときを+としたのに対し、エンタルピーは「系がエネルギーを得た」ときを + としているため。