ΔS = q/T の式は T → 無限大で 0 になってしまうけど、いいのか?

\displaystyle \Delta S = \frac{q_{\rm rev}}{T} の式は T \to \inftyで 0 になってしまうけど、いいのか?

温度 T が増加するにつれ、S は増加していきますが、
増加分 ΔS T で割っているので、温度上昇につれその傾きは次第に緩やかになっていきます。
ある温度 T0 を出発点として、温度を上げていったときの S を計算します。
q_{\rm rev} が一定であると仮定して上式を積分します。

 \displaystyle S-S_0 = \int^T_{T_0}\, \frac{q_{\rm rev}}{T} {\rm d}T = q_{\rm rev}\cdot\ln{\frac{T}{T_0}} 

(S0 は、温度 T0 におけるエントロピー)

グラフ化すると

S の温度依存性
S の温度依存性

となります。温度上昇につれて エントロピーは増加し続けるのですが、その傾きが次第に緩やかになっていくのです。

最初の式は、温度が ∞ まで行ったときに、上のグラフの 傾きが 0 になることを示しています。
グラフの形からわかるように、温度上昇に伴うエントロピー増加は「対数的」で、その変化は比較的緩やかです。