laboratory

実験室

岩石スラブ・薄片

岩石がどのようにできたのかを知るうえで,岩石スラブ(研磨した岩石)や
岩石薄片(顕微鏡観察用に光が透過するまで薄くしたもの)の観察は基礎となります.

花崗岩の岩石スラブ

鉱物を見分けやすいように薬品を使って染色しました.
花崗岩は石英・アルカリ長石・斜長石と少量の有色鉱物からなります.
黄色に染色された鉱物:アルカリ長石
わずかに染まった白色の鉱物:斜長石
染色されていない鉱物(灰色に見えるが実際は透明):石英
黒色の鉱物:黒雲母などの有色鉱物

花崗岩の岩石薄片

偏光顕微鏡(左:オープンニコル,右:クロスニコル)での観察
中央に見える大きい鉱物(クロスニコルでは暗灰色):アルカリ長石
オープンニコルで赤茶色に見える鉱物:黒雲母
写真の縦:5mm,横:6mm

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化学分析

岩石や鉱物の化学分析も岩石の形成過程を考察するうえで重要です.

EDS分析:微小領域の化学分析

試料(岩石薄片など)に含まれる鉱物などに電子ビーム(径:数ミクロン)を当て,
そこから発生するX線の強度から,鉱物などに含まれる元素の種類と割合(化学組成)が分かります.

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古地磁気測定

岩石に強い磁性(磁石の性質)をもった鉱物が含まれる場合,
その岩石はその磁性鉱物ができたときの地球磁場(古地磁気)を記録しています.
古地磁気のデータは,時代の推定や構造運動の検討に用いることができます.
下のような手順で,古地磁気を測定します.

試料の準備

測定用に円筒状の試料を準備します.
野外でエンジンドリルを使って試料を採取(左),
あるいは室内でコアピッカー(右)を使って試料を抜き出します.

消磁実験

余分な磁気を消去し,測定したい磁気を残す作業です.
加熱して磁気を消す熱消磁実験(左)や
人工的に作り出した磁場に試料を置いて磁気を消す交流消磁実験(右)をします.

試料の磁気測定

スピナー型磁力計という装置を使って測定します.
消磁実験と磁気の測定は交互に繰り返し行います.

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