野外調査
露頭紹介
北アルプス起源の礫を含む礫層
松本盆地・高山盆地・富山平野には,北アルプス起源の礫を含む古い時代の礫層が分布します.
これらの礫層がいつできたのかは,北アルプスの形成過程を考える重要な事柄の一つです.
北アルプスの花崗岩
上側の暗灰色部は約176万年前に噴出した穂高安山岩類.
下側の灰白色部は滝谷花崗閃緑岩.
境界付近の穂高安山岩類は熱変成作用を受けているので,
滝谷花崗閃緑岩の方が新しいことが分かります.
なお,滝谷花崗閃緑岩は現在のところ世界で最も新しい時代の露出した花崗岩質岩体です.
花崗岩質の岩石には,写真のように有色鉱物に富んだ
黒っぽい岩片(暗色包有岩)が含まれることがあります.
暗色包有岩はどのように形成されたのでしょうか?
また,花崗岩質マグマとどのような関係にあるのでしょうか?
濃飛流紋岩―白亜紀の大規模火砕流堆積物―
濃飛流紋岩は岐阜県飛騨地方〜長野県木曽地方にかけて分布する
約8,500〜6,800万年前(白亜紀の後半)の火山噴出物です.
主に溶結凝灰岩(大規模火砕流堆積物)からなります.
写真はその一例で,レンズ状の本質岩片(マグマの粗い破片)と
それを取り囲む火山灰(主にマグマの細かな破片)からなります.
スケールは10cmです.
溶結凝灰岩は噴出した直後は高温でしたが,冷却する間に収縮し,
写真のような柱状節理(縦方向の割れ目)ができました.
間隔は1〜2m程度です.
山岳調査
「北アルプス」が主要な研究対象のですので,ときには険しい山岳を調査することがあります.
祖母谷(2001年度卒論生のフィールド)
残雪期の調査:爺ヶ岳・白沢天狗岳
滝谷花崗閃緑岩の名前の由来となった滝谷(岩登りで有名)