解答
下記、経路 A の結果に揃えましたが、他の解法もあります。
経路 A
等温過程なので
(上記では n = 1 mol なので、n を省略している。その結果、得られる式の単位は q では J mol−1, ΔS では J K−1 mol−1 と 1 mol あたりを意味するmol−1 が付く。以下の式に出てくる CP, CV はいずれも1 mol あたりの定圧, 定容熱容量。)
過程 BC
過程Bは断熱膨張
過程Cは定容過程
よって2つの過程の和は
ここでエントロピーは経路Aと同じであることを示すために、温度の比となっている部分を体積の比で表すことを考える。
温度 T1 と T2 は断熱過程B を経ているので、断熱過程の式を使って
これをエントロピーの式に代入すると
過程 DE
過程Dは定圧過程
過程Eは定容過程 (T1 < T3 なので、式の表式と実際の符号が一致するよう、初状態と終状態を入れ替え、符号をマイナスとした)
よって2つの過程の和は (CP–CV = R を利用して)
ここで T3, T1 の比は定容過程 (P1, V2, T3)→(P2, V2, T1)より
さらに P1, P2 の比は等温過程 (P1, V1, T1)→(P2, V2, T1) より
従ってエントロピー変化は
過程 FG
過程Fは定容過程
過程Gは定圧過程
よって2つの過程の和は (CP–CV = R を利用して)
ここで T1, T4 の比は定容過程 (P1, V1, T1)→(P2, V1, T4)より
さらに P1, P2 の比は等温過程 (P1, V1, T1)→(P2, V2, T1) より
従ってエントロピー変化は
以上より、4つの経路いずれでも ΔS が等しいことが示された。
(q は異なる)