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日本遺伝学会 第81回大会へのお誘




81回大会委員長 伊藤 建夫
信州大学理学部


 日本遺伝学会第81回大会を、2009916日(水)から18日(金)まで3日間、信州大学理学部(長野県松本市)を会場として開催します。信越地域の会員と信州大学の非会員の協力を得て、組織委員会を発足させ、学会本部のバックアップのもと、大会開催にむけて準備をすすめています。

 久しぶりの地方都市での開催となりますが、松本での開催は実に62年ぶりとなります。戦後間もなくの厳しい時代にもかかわらず、演題数76を数えたとのことで、大会開催を成功させられた大先達の方々に敬意を表するとともに、それらの方々に負けぬように、また「遺伝学の地方への普及と会員の増加をはかり、また地方を元気づける(会長からのメッセージ:その2、20084月)」という品川前会長の期待に応えるべく、大会開催を準備したいと思います。

 日本遺伝学会は長い歴史と伝統をもつ基礎的な生物学の広い分野に関わりをもつ学会であり、分子レベルから個体・集団のレベルまで時代に応じて優れた研究成果と研究者を輩出してきました。一方、遺伝学の各分野の著しい発展と専門化、深化により、研究者が各専門分野の学会に分散する傾向も否めないのが事実です。しかし、広く細菌からヒトまでの莫大なゲノム情報が蓄積されつつある今日、分子レベルから個体・集団のレベルまで生物学の広い分野をカバーする日本遺伝学会の果たす役割はより重要なものになっていると確信します。

 松本大会でも、これまでの伝統を守り、口頭による一般講演を中心にプログラムを編成します。初参加の学生から経験豊かな研究者まで同じ持ち時間で発表をします。細菌からヒトまで、分子レベルから個体・集団のレベルまで、さまざまな分野の方々が多数参加され、発表、討論、情報交換が行われることを期待します。また、15程度のテーマのワークッショップ(一部はシンポジウムとして)の準備をすすめています。遺伝学の諸分野をバランスよくカバーすることができるように、組織委員会外の方々のご意見を伺うとともに、別記のように広くテーマを公募しますので、奮ってご応募ください。

 また、今大会でも会期中に公開市民講座を開催する予定です。今回は、「遺伝学と社会の接点」をテーマとし、最先端の遺伝学者、医学者の講演に続き、大学教員、高校教員、マスコミ関係者などをパネリストとして、遺伝学と人との関わり、ヒトの遺伝(学)の基礎の正しい理解などについてパネル討論を行います。一般参加の市民、学生とともに、学会員のみなさまにもこれらのことを考え、また日本遺伝学会の社会的役割を考える機会になればよいと考えています。

 松本は、岳都、楽都あるいは学都と称しています。大会の時期は、夏山シーズンの喧噪が終わり、上高地なども少しは静かになっており、「2009サイトウ・キネン・フェスティバル松本」(音楽祭)も既に終わっています。大会後は5連休となりますので、学問とともに松本とその周辺の自然を楽しまれてはいかがでしょうか。多数の皆様のご参加をお待ちしています。