本文へジャンプ


















日本遺伝学会 第81回大会 公開市民講座


「遺伝学と社会の接点」


公開市民講座

 ※入場無料  916日(水)17:30 - 20:00


<公開市民講座の概要>

 
本公開市民講座では、まず、第一部として、第一線の遺伝学者、医学者から研究成果やその実践への応用などについて講演をしていただきます。続いて、第二部として、高校、大学において遺伝学教育に携わる教員、遺伝学の研究成果や人々とのかかわりを社会に伝えるメディア関係者にも加わっていただき、それぞれの立場から、「現代社会における遺伝学の教育と普及のあり方」について、意見や取組みの実状などを語っていただくとともに、問題解決の方策をも探るパネル討論会を開催いたします。


第1部:講演会
「遺伝子と人間社会の接点」


1 森 政之(信州大学大学院加齢適応医科学系)
「運動による健康増進効果を決める遺伝子の話」

2 斎藤 成也(国立遺伝学研究所集団遺伝研究部門)
「遺伝子から見る人類進化 」

3 宇佐美 真一(信州大学医学部耳鼻咽喉科学)
先天性難聴の遺伝子診断」


第2部:パネル討論会
「現代社会における遺伝学の教育と普及のあり方」

コーディネーター
 池内 達郎(
東京医科歯科大学)
 話題提供:
日本遺伝学会の役割


パネリスト
 
能勢 博(信州大学大学院加齢適応医科学系)
 
話題提供:加齢、スポーツ医科学の立場から

 斎藤 成也(国立遺伝学研究所集団遺伝研究部門)
 話題提供:集団遺伝学の立場から

 宇佐美 真一(信州大学医学部耳鼻咽喉科学)
 話題提供:臨床研究の立場から

 
武部 啓(近畿大学大学院遺伝カウンセラー養成課程)
 
話題提供:生命倫理の観点から

 福嶋 義光(信州大学医学部遺伝医学・予防医学講座)
 話題提供:遺伝子診療とゲノムリテラシー

 松田 章利(長野県教育委員会、前長野県諏訪清陵高校教員)
 話題提供:高校における遺伝学教育の実状


 今津 博文(読売新聞科学部記者)

  話題提供:市民の遺伝リテラシーの実状と報道


<公開市民講座の目的>


 遺伝学、ゲノム科学を中心として、生命科学の分野は急速に進展しており、ノーベル生理学・医学賞受賞者の多くがこの分野から出ています。
この分野の目覚ましい進展は生命科学のさらなる発展に寄与するとともに、研究成果が医療、保健などの分野で利用され、重要な役割を果たすようになってきています。
 しかし、これらの研究成果の恩恵を受けるべき一般の人々の遺伝学、ゲノム科学に関する知識・理解が十分とは言えないままに、
マスメディアや商品広告には遺伝子、DNAという言葉が飛び交っています。また、組み換え食品、クローン家畜、個人情報保護、生命倫理なども日常的な話題となり、人々はどちらかといえば情緒的に漠然とした危惧・不安を感じています。このような現代社会においては、初等・中等・高等教育を通じての遺伝学(特に、ヒトの遺伝学)の基礎の正しい理解(遺伝リテラシー)が強く望まれます。一方で、遺伝的な体質や遺伝病についての正しい理解をうながし、偏見をなくすような遺伝学(特に、ヒトの遺伝学)の教育改善・実施、それに基づく市民への普及が容易ではないことも指摘されています。
 
日本遺伝学会第81回大会公開市民開講座では、まず、第一線の遺伝学者、医学者から研究成果とその応用についてお話しいただき、遺伝学、ゲノム科学の進展の状況、および人・社会とのかかわりについて理解を深めることを目指します。その後で、高校で遺伝学教育に携わる教員、および遺伝学の研究成果や人々とのかかわりを社会に伝えるメディア関係者にも加わっていただき、それぞれの立場から、「現代社会における遺伝学の教育と普及のあり方」について、意見や取組みの実状を語っていただくとともに、浮き彫りになった問題解決の方策を探るパネル討論会を開催します。このような学会の社会的啓蒙活動においては、継続性による議論の深化が重要と考えます。そこで、今回は前年度大会の公開市民講座のパネリストから2名の方にパネリストをお願いしています。また、62年ぶりの長野県での日本遺伝学会大会の開催が、この地域において普段は遺伝学に直接ふれる機会のない方々に対し、日々の生活との関わりを再認識していただく契機となることを目指します。