熱容量の計算

固体元素のモル熱容量 \bar{C}_P は、その種類によらずほぼ 3R であるという。(デュロン-プティの法則)
(R気体定数, R = 8.31 J K-1 mol-1)
80 °C に熱したアルミニウム 54.0 g に多量の氷を接触させた時に、融けて生成する水の質量はいくらか。
アルミニウムと水の物性値は下の表の値を用いよ。

系の最終温度は 0 °C となる。

80 °C → 0 °C でアルミニウムが放出する熱 q

  \displaystyle q = \rm \frac{54.0~g}{27.0~g~mol^{-1}} (24.2~J~K^{-1}~mol^{-1})(80~K) = 3870~J  

(80 K は温度差)

融けた氷の質量を x  とし、
氷→水の相転移で吸収される熱を左辺に、上記の q を右辺にとり方程式を立てる。

  \displaystyle \frac{x}{18.0~\rm g~mol^{-1}}(6.0 \times 10^3~\rm J~mol^{-1}) = 3870~{\rm J}  

x について解くと

  \displaystyle x = \rm 11.6~g  

 

単位換算についての注

上記で、融けた氷の質量を x g というように単位付きで定義し、式を解くと

  \displaystyle \frac{x \rm\ g}{18.0~\rm g~mol^{-1}}(6.0 \times 10^3~{\rm J~mol^{-1}}) = 3870~{\rm J}\\  \\  x = 11.6  

というように、 x はただの数値として得られます。単位は g と定義していますので、融けた氷の質量は
11.6 g。これでもOKです。

ただし、通常、物理量を表す記号は「単位を含む」こととなっているので、「質量を x とする」というように、単位をつけずに(x の中に単位を含めて)定義するのが良いでしょう。