VESTAの使い方

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このページから、[問題]がでてきます。問題の解答はレポートに記載し、提出してもらいます。
レポートを作りながら作業を進めていくとよいでしょう。
(「レポートについて」のページに、レポートのテンプレート(雛形; ひながた) があります。)

VESTA の使い方

うまく起動できたら、下記のような画面が表示されるはずです。
このソフトウェアVESTAを使って分子を表示していきます。
(表示はすべて英語ですが、くじけずに頑張ってください。)

VESTAの画面

分子データの読み込み

さっそく分子を表示させてみることにしましょう。

下にエタノールの座標ファイルを置きました。ダウンロードしてください。

ethanol.xyz

クリックして「保存」の右側の▼を選び、適切なフォルダに保存するとよいでしょう。

(今回はデスクトップに情報科学演習というホルダーを作って保存してみます。)

保存したethanol.xyz ファイルを、VESTA(上の図中G)に Drag & Drop してみましょう。
(VESTAのメニュー(上の図中A)中の[File]-[Open…]からファイル ethanol.xyz を開いてもOKです。)
球と棒で示されたエタノール分子が表示されたでしょうか?

分子はマウス操作(上図Gで左ボタンをドラッグ(押したまま動かす))で回転させることができます。試してみてください。

  • 初期設定では、平行法(Parallel; 遠くのものも小さくしない)で分子を描いているので、回転が不自然に感じるかもしれません。
    上図Aの[View](視点)から[Perspective](遠近法)を選択すると、遠くの分子を小さく描き、遠近感のある描写になります。
    (xyzファイルを読み込むたびに行う必要がある。)

分子の操作

動作モードは[Manipulation](上図E)で切り替えます。

rotate [Rotate] (回転) 分子をマウス操作で回転します。
select [Select] (選択) 原子を選択します。
原子の情報(元素名、座標など)が情報ウィンドウ(上図H)に表示されます。
translate [Translate] (並進) マウス操作で分子の表示位置を変更します。
magnify [Magnify] (拡大) マウス操作で視点を近づけたり遠ざけたりすることで、分子を拡大、縮小します。マウスのホイールでも代用可能。
distance [Distance] (距離) 2つの原子を続けて選択することで、その原子間の距離を情報ウィンドウ(上図H)に表示します。
angle [Angle] (角度) 3つの原子を続けて選択(a-b-c)することで、その角度を情報ウィンドウ(上図H)に表示します。
dihedral [Dihedral] (二面角) 相交わる二平面のなす角を情報ウィンドウ(上図H)に表示します。

問題 1 (エタノール分子のかたち)

(問題の解答は、レポートに記載してください。)

(1) エタノール分子の、C-C-O の角度は何度か (原子を選ぶ順番に注意)

(2) エタノール分子の O-H 間距離、C-H 間距離 (隣接しているもの)は何オングストロームか

有効数字は小数点以下 2 桁とする。

※注 オングストローム(Å; Aの上に丸)は長さの単位で、1 Å = 10-10 m です(1 Å = 0.1 nm = 100 pm)。国際単位(SI単位)ではないので現在は使わないことになっていますが、原子の大きさを表すのに便利 1)水素原子の直径が約 2 Å なので、このソフトウェアをはじめ、一部でまだ利用されています。

Å (オングストローム) や ° (度) は全角文字(日本語フォント)にも用意されていますが、数字に並べて使うとバランスがいまいちです。
ワードでは[挿入]-[記号と特殊文字]-[ラテン1補助]から選んで入力するか、下記の方法 2)[Åの入力] 半角入力モードで Ctrl+@(同時押し)に続けて Shift+A(同時押し)を押す。他にも例えば Ctrl+: に続けて a を押すと ä が入力できる。
または、ワードの数式エディタで A ¥above ¥circ と入力してもよい。
3)[° の入力] 半角入力モードでかつ欧文フォントが選ばれている状態で Ctrl+@につづけてスペースを押す。または数式エディタで ¥degree と入力する。 を使うと半角(欧文フォント)の Å  や ° を入力できます。


脚注

1 水素原子の直径が約 2 Å
2 [Åの入力] 半角入力モードで Ctrl+@(同時押し)に続けて Shift+A(同時押し)を押す。他にも例えば Ctrl+: に続けて a を押すと ä が入力できる。
または、ワードの数式エディタで A ¥above ¥circ と入力してもよい。
3 [° の入力] 半角入力モードでかつ欧文フォントが選ばれている状態で Ctrl+@につづけてスペースを押す。または数式エディタで ¥degree と入力する。