「100 °C で存在する氷」というのが出てきたが、簡単に作れますか?

「100 °C で存在する氷」というのが出てきたが、簡単に作れますか?

Ice-IIの構造模型
Ice-IIの構造模型

氷の多形のうち、通常見られる氷(Ice Ih)以外の安定相は最低 2000 atm 程度をかけなくては現れません。ダイヤモンドアンビルなど特殊な装置を紹介しましたが、高圧を作り出すのは大変です。

物理化学研究室には高圧で測定できる吸着装置がありますが、測定範囲は 約 120 atm までです。ちなみに 10 atm を超える圧力を扱う装置は設置の際に都道府県の許可を得る必要があります。難しさは、高圧領域の「体積」にもよるのですが・・・(大きい体積を高圧にするのは非常に難しい。)

また、できた氷を「見る」ためには高圧に耐える窓材についても考えなくてはなりません。「しんかい6500」では窓にかかる水圧はおおむね 650 atm 位と思われますが、厚さ 14 cm のアクリルを使っているようですね。 1)窓の「厚み」がどのくらい必要かは、圧力だけでなく窓の「大きさ」に強く依存すると思われます。

Ice VII の構造
Ice-VII の構造模型

というわけで、「100 °C で存在する氷」(Ice VII)を作るのは、非常に難しいでしょう。
(「100 °C で存在する固体」なら簡単ですけどね。)

参考

脚注   [ + ]

1. 窓の「厚み」がどのくらい必要かは、圧力だけでなく窓の「大きさ」に強く依存すると思われます。