16-1 圧力の単位換算

解答

まず atm と Pa の変換について考える。

1 atm = 1013.25 hPa より

1{\rm\ atm} = 1013.25 {\rm\ hPa} = 1013.25 \cdot 10^2 {\rm\ Pa}

(接頭語は 10x に置き換える)

Pa を atm に変換したいので、これを 1 Pa = の形にする

\displaystyle 1{\rm\ Pa} = \frac{1}{1013.25 \cdot 10^2}{\rm\ atm}

302 GPa の Pa のところに(Pa をあたかも x や y のような代数記号のように考えて)、上式を代入する。

\displaystyle 302 {\rm\ GPa} = 302 \cdot 10^9 \cdot (\frac{1}{1013 \cdot 10^2} {\rm\ atm})

(302 GPa の有効数字は 3 桁なので、変換係数は 3+1 = 4 桁あれば十分)

\displaystyle = (\frac{302}{1013}) \cdot 10^{(9-2)} {\rm\ atm} = 0.298 \cdot 10^7 {\rm\ atm} = 2.98 \cdot 10^6 {\rm\ atm}

(解答の有効数字は3桁)
(指数 10x を使うときは、X.XX · 10x のように 1 ~10 の数値と、10 の x 乗の積の形に整理すると良い)

同様に、bar と Pa の対応式

1 bar = 105 Pa

から、1 Pa = の形に直して

1 Pa = 10−5 bar

Pa の部分に代入すれば、bar への変換が行える。

 302 {\rm\ GPa} = 302 \cdot 10^9 \cdot 10^{-5} {\rm\ bar} = 3.02 \cdot 10^6 {\rm\ bar} 
3 × 106 気圧 = 300万気圧 とは想像を超えた恐ろしい圧力ですが、
地球の中心の圧力は360万気圧程度と見積もられ、宇宙全体で考えるとそれほどありえない数値ではありません。

このような高圧を実験室で作り出すには通常の容器は使えません。例えば鉄でできた容器を使ったら、圧力によって鉄が変形してしまいます。
極高圧実験では、ダイヤモンドアンビル という機構が用いられます。これは平らな面を向い合せた 2 つのダイヤモンドの間に測定物質を挟み込み、上下から力を作用させ、高圧状態を作り出します。