計算
というわけでようやく計算ですが、式(5.22′)に値を代入すると
となります。これは 電子の質量とほとんど同じで、その差は 0.054% です。(換算質量の方がわずかに小さい)
これはプロトンの方が電子に比べて質量がずっと大きいので、重心(回転中心)がプロトンにとても近いところにあるためです。このように 水素原子の回転を考える場合、プロトン(原子核)は固定していると考え、換算質量 μ ではなく電子の質量 me を使ってほぼ問題がないことがわかります。
換算質量 μ の考え方は量子論特有のものではなく、古典論でも全く同じように使うことができます。